2020年12月7日月曜日

「本校の鉄の絆」

「鉄の絆」という炭酸飲料があるのをご存知の方はそう多くはないと思う。某メーカーが日本初の“鉄鋼業界応援飲料” シリーズ第2弾として開発し売り出した清涼飲料である。ちなみに第一弾はエナジードリンク「鉄塊」でインパクトの強い商品が大反響を呼び2弾に繋がった。現在は不況のど真ん中にあるが日本鉄鋼業界の国内総出荷額は16兆円(2018年)、従業員は22万人にのぼる。「鉄は国家なり」に共感し、かねて鉄鋼業界に身を置いた身としては嬉しい限りだ。日本の基幹産業を支える鉄に働く鉄人を応援する気持ちは今でも変わらない。大卒から50代半ばまで鉄の中に勤務し、一大決心をして教育界に転身した。企業経験はまさに色々な事があったが「今日の自分の基礎を作ってくれた」と今は思うようになってきた。この産業界の経験があればあればこそ自分の今があるのだと思っている。これからは自分の経験で得た精神をこの学校を舞台に次の世代に繋いでいくのが最後の責任だと思って日夜を過ごしている。一つの学校は一つの国家である。

5日の土曜日は第3回高校入試説明会の日であった。コロナ禍の中で具合悪いことに近隣の私立高校の6校ほどと同じ日にぶつかり合い、参加者の減少を想定していたが、蓋をあければ昨年並みの数で本当に安堵した。昨年までは自分が冒頭のプレゼンをしていたが4月に高校校長職を飯田副校長にバトンタッチしたので、直接の出番はないのだが、それでも新校長のパーフォーマンスは気にかかるものだ。校長職を譲ったのだから少しは楽になると思っていたが、必ずしもそうではない。現校長とは年の差も大きく、言ってみれば「親心みたいな、長兄みたいな」気持ちで見守り、毎回毎回総括して助言している。参加者のアンケート結果を我々は極めて重要視しているのだが、今回では「校長先生の熱いお話を聞き、是非とも浪速高校で学ばせたいと思いました」とか、終わった後に学校長が正門で受験生や保護者を見送っているときに「説明会の内容が良かったです。有難うございました」との話があったりとか、リモート説明会であったが、今回も大変良かったと評価できる。最後の説明会は今週末の12日土曜日だ。鉄の絆で全員が総力で頑張ってくれるだろう。

 本校には手前味噌ではないが「鉄の絆」がある。「絆とはチームワーク」である。属する教職員がそれぞれの立場で責任を果たし「一枚岩」となって頑張ってきたからこそ、「今日の浪速」がある。高校、中学、入試広報部門、事務・業務部門と大きく分けて学校には4大部門がある。高校、中学には細分化すれば総務部、教務部、進路指導部、生徒生活指導部、保健体育、ICT教育推進部、それに加えて「人権教育推進委員会」「安全衛生管理保健委員会」「広報情報委員会」「ハラスメント防止委員会」「特別支援教育委員会」等がある。これらの言わば「横串し」に1,2,3年生の学年団の「縦串し」があるから外部の人には分かり辛い組織が学校である。横と縦の結合した組織に「血の流れ」を良くするように管理職を配置している。組織の要はやはり管理職だが、組織内には誰一人として不要不用な人間は居ない。全員が仕事をしてくれている強みが今の浪速である。

 上手く絡み合ったらその組織は大きな力を発揮するが、一歩間違え、それぞれが「誤解」し、勝手気ままに動けばその組織はバラバラとなり腐敗し悪臭を放ち始める。私はこの14年間、「学校は組織である!」と言い続けてきたが学校の教員は最もこの部分に疎いだけに、今後とも私は言い続けながら、「浪速の鉄の絆」を次世代に繋げていくことが最も重要な仕事である。ポスト木村のことばかり最近は考えている自分に気づく。それだけに管理職には厳しい。管理職の評価はそのプロセスと結果である。プロセスを間違うな!自分の言葉で語れ!結果を出せ!周辺に結果を見せつけよ!