2020年2月14日金曜日

後継者問題は難しい!


私も大いに尊敬している日本電産の「永守重信」氏、76歳、この稀代のカリスマ、猛烈経営者が今「後継者」で悩んでおられるみたいだ。2月5日の朝刊各紙は一斉に日産のNo3であるCOOの関氏を社長に迎える人事を報じている。かなり大きな扱いであった。私はこれを読んで「うーん、又?」と首を傾げたのである。永守氏と言えば前には同じ日産トップを社長に据え、わずか2年で交代させる。その前はシャープからトップを社長含みで招聘しこれまた実現しなかった。永守氏は以下のようにも言っている。「集団指導体制は我が人生で最大の間違いだった!」と。私には良く分からない。元々集団指導体制になっていないのではないか?誰を連れてきても依然として永守さんだけがトップの会社なのである。




永守さんが生きておられる限り幾ら外部から優秀な人材を持ってきても上手くいく筈はないと思う。余りにも創業者の存在感が強すぎる。実力と業績の数値が大きすぎて、何方が来ても適うわけがない。それを創業者は「徐々に不満を募らせていく構図」が見える。ワンマン、卓越した「立志伝中の人物の後釜ほど辛い立場はなかろう」。それなら外部で名を成した人よりも、長所も欠点も見透かしている内部人材からトップを育てるのが良いのではないか?その方が手っ取り早いし、傷も小さくて済む。嫌なものを見たくなけば、「スパッ」と完全に引退するしか方法はない。



規模も中身も全く比較にならないような弱小な本校の組織だが、私も後継者を「ずっと、ずっと、ずっと」考えてきた。この新聞記事を読んで益々「後継者の選択」は難しいものだと痛感した。一度外部からの招聘を考えて動き、結果的に大きな失敗をした。多くの人にご迷惑をかけたことは今でも心の傷になっている。私の目の黒い内に内部から後継者を指名し、仕事をさせて育てることしかないのか?日産とかトヨタとかソニーとかグローバルの超優良企業から優秀な人材を迎えようにも来てくれる筈はないから自前で育てるしかないのか?本当に後継者問題は頭が痛いし難しい。





本校の教職員は以下の内容を良く読んで欲しい。

「永守 重信(ながもり しげのぶ、1944828 - )」氏はご存じ日本電産の創業者であり、所謂「カリスマ経営者」。フォーブス誌によると20183月時点の総資産は5760億円で、日本長者番付で6位だというから凄い。京都府向日市において、6人兄弟の末っ子として誕生し、19633月、京都市立洛陽工業高等学校を卒業、19673月、職業訓練大学校(現在の職業能力開発総合大学校)電気科を首席の学業成績で卒業したとある。音響機器制作会社ティアックに就職後、同社子会社である山科精器取締役の経歴を経て、ティアックの持ち株を元に、19737月、28歳で日本電産を創業する。社長を含めて3人での創業であった。



以後、2014年、日本電産代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)として、同社を日本を代表する小型モーター製造会社に育て、モーター事業において、世界トップ・シェアの業績を誇る世界的な大企業に育て上げた。 この年の日本経済新聞社が実施した「平成の名経営者ランキング」において第1位となり、20141117日に発刊された『日経ビジネス』誌において、発表された「社長が選ぶベスト社長」ランキングにおいて第1位を獲得。



20183月、京都学園大学理事長に就任、教育への並々ならぬ見識と気力をお持ちである。 
この時期、郷里の向日市へ市民会館を新築して寄付することを表明し、名称は「永守重信市民会館」で、工費は約32億円、すべて個人資産であるからケチな人ではない。優秀な技術を持つが経営不振に陥った企業を次々買収し、子会社化して再建させることで知られ、個人で筆頭株主となり、会長に就任して、経営不振に陥った企業の再建を行うのがスタイルである。「情熱、熱意、執念」「知的ハードワーキング」「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」の三つを経営哲学としている。また、日本電産創業時に「同族会社にしない」「下請けはやらない」「世界に君臨する企業を目指す」という経営理念を掲げており、それを実践している。



インタビューなどでは「仕事が一番楽しい」と答え、116時間(余暇と睡眠で合計8時間のみ)、年間365日、元日の午前を除いて働くという。これは「他人の2倍働いて成功しないことはない、倍働け!」「絶対に楽して、もうけたらあかん」といった、母親からの教えによる。しかしM&Aで傘下に収めるなどした海外企業での見聞を通じて、生産性を重視する方向へ考え方を変え、2016年には将来の残業ゼロを目指すことを宣言した。 2017年の記者会見では「2030年度に連結売上高10兆円」という構想を語っている。



エピソードなどは枚挙に暇がないくらい多い。日本電産創業期には会社の規模も小さく、新入社員採用試験として「大声試験」「早飯試験」「マラソン試験」「試験会場先着順」「留年組専用試験」など独自の試験を実施したことがあるは発言録もすごい。私は「一番以外はビリだ」と思って生きてきました。二番でもいいなんていう考え方は駄目です。それから、異端者を評価しない会社も問題です。ちょっと変わった人間が世の中にないものを生み出している。今日のことは今日やる。「今月は無理だ。来月やります」で、一年のうち1か月がなくなってしまうから、達成率が80%となってしまう。しかし、使うほうのお金は100%使っているから、赤字になる。読者の皆さん、この論理、面白いと思いませんか?



「ノー」の連発からは何も生まれない。「すぐやる」「必ずやる」「出来るまでやる」という、常に前向きな姿勢を持ってこそ、すばらしい成果が待っている。特に有名な社会問題になったのが真偽のほどは分からないが「休みたいなら辞めれば良い」という発言である。出版物も「奇跡の人材育成法」「情熱・熱意・執念の経営 すぐやる! 必ずやる! 出来るまでやる!」「人を動かす人」になれ!―すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」などがある。