2020年2月28日金曜日

非常事態「ウイルスとの戦争」


「前代未聞」とは、これまでに聞いたこともないような珍しく変わったこと。また、たいへんな出来事という意味だが、前代未聞の出来事、事件という風にあまり良い感じで使われていない字句だ。言うなら「過去に例を見ない」「前例、先例のない」と言った言葉が適切か?政府の新型ウイルス感染症対策本部は昨日全国の小・中・高の学校に対して32日から春休み期間までの間を「臨時休校」とするよう要請する旨の判断を発表した。内閣総理大臣の名においてである。まさに「過去に例を見ない行政指導」である。遂に地球上五大陸すべてに感染が広がっており、間違いなく「パンデミック」である。感染力の強さを考えれば当然の措置であり、仕方のない判断だと私は捉える。




これを受けた大阪府教育庁は恐らくタイミングや期間の長さなど幾分想像を超えた施策であった為に「どう対応するか?」慌ただしく動き、我々私学の主管課である大阪府私学課は昨夜22時24分着のファクスで府内各私立の設置者宛に簡単な「要請文」を出した。これを受けて私は今朝8時から拡大管理職会議を行い、「粛々」とこの要請を受け入れることを管理職に伝え、本日年度末定期考査の日であるが今日の試験終了後全高校生に対して「一連の経緯」と4月6日まで、すなわち令和2年度1学期の始業式まで現時点で学校は「休校する」旨、説明した。時間的余裕がない。




浪速中学校の生徒については明日校長から同様の話をするが、3月7日の卒業式は予定通り行う。要請の中身もある程度は柔軟であり、保護者の出席は1人に限定し、縮小して行う。中学生の中には高校受験もある生徒もいたりするので、個別に対応していく。もちろん高校生にとってもまだ大学受験があり、手続きなどあるため、柔軟に対応して参る所存だ。同一場所に大勢が集合するというリスクの低減が目的だからあくまで個別に、柔軟に対応するのが学校の責任である。高校生への話も前述したように「学校は開いている」ことと「生徒が今やるべきこと」を整理してモニターで話したのである。







最大の課題は高校生の成績判定と進級判定であるが、これができないと2年度の始業式も出来ない。しかしこれについても予定通り進め、成績不審者で「追試や補講が必要とする生徒」には個別に学校に登校させる方向で進める。進級後のクラス発表やロッカーの移動などまだまだ多くやることはあるが、黙々とやるだけで、考えれば「知恵は出てくる」ものだ。肝心な事は「本校の生徒から感染者を出さない」ことだから、この命題だけを念頭に対応していくだけの話である。臨時職員会議ではこの点を強調して話した。




朝日新聞は殊更今回の休校措置の影響の度合いを喧伝し、多くの批判的な人々の話を記事にして、「犠牲に伴う効果が期待出来るのか」とまで書いていたが政府も我々も誰も自信があって進めている訳ではない。昼時のテレビもいわゆるMCやコメンテーターが好き勝手な事を言っていたが、日本という国は何を言っても許される。日本は本当に良い国だ。今が「正念場」と考え、国民の健康を守るべき総理大臣が政治決断した話である。あれこれ外野から言うべきではない。「ウイルスとの戦争」なのである。今出来る限りの感染症対策をやっているだけの話だ。

14時現在大阪府私学課からはまだ具体的な要請文が届かない。想像するに鳴り響く問い合わせ電話への対応の中、彼らも夜を徹して必死になって各私立学校の情報を得ながら、詳細な対応指針となる資料を纏めているのだろう。彼らも我々と共にウイルスと戦っているのだ。