今夏の軟式野球部の成績は残念ながら準決勝で敗退した。後一勝すればあの興国高校と決勝戦であったのにと今でも思っている。興国高校の理事長さんとは極めて親しくさせて頂いており、決勝戦で並んで応援できた筈だった。準決勝の相手は優勝経験のある公立の超強豪校で投手戦となり9回まで零対零で進み、延長戦は「ノーアウト1塁、2塁のタイブレーク」形式となった。しかし10回裏にスクイズで1点取られ、敗れた。遠山監督の前の前の硬式野球部の監督であったI先生も30年以上にわたる硬式経験から指導力、野球知識と人的ネットワークの広い人であることから私は軟式の指揮をお願いしたのである。その彼に私は翌朝「スクイズは考えなかったの?」と笑いながら問い詰めたが、何かぼそぼそ言っていたな。
サッカー、ラグビーなども人気が高まっているがやはり野球が一歩先んじている感じである。日本人はどうも野球が好きな人間が多いというのは私の個人的な感想だろうか。私は今更ながら気づいたのは野球は9人でやるスポーツであるが、実質は個人戦だと最近思うようになった。他の競技も同じようなものだ。最後は個人のパーフォーマンスである。それだけにそれを観戦する観客は一人の選手に注目する。とにかく運動部の保護者会の応援の形は尋常ではない。既に形が出来上がっており、おそろいのシャツを着て応援者などへのドリンクサービスも徹底している。ところが我が子の活躍する姿を見たい保護者は時にチームや監督に対して不満を有する時がある。それが分かるのが、私の手元に「匿名で届く手紙」である。
このような匿名の手紙を貰う私の気持ちは複雑である。どうして良いのか正直分からないのだ。私学課は匿名の情報提供は結論的に放置で良いとしているが、そうもいかない面もあり、私は文中の無視できない部分は事実確認をする。そうして是正措置をするが多くは事実誤認が多いしその返信が出来ないから複雑な気持ちになるのである。嫌がらせの手紙や張り紙は、内容や頻度・枚数などによってはれっきとした犯罪であるが、警察が積極的な対応をしてくれることは殆どない。しかしちゃんと犯人を特定し充分な証拠を揃えれば名誉棄損罪か侮辱罪にし、刑事罰を与えられるし、民事で損害賠償請求をすることもできる。しかし高校の運動部で起きているこのような不平不満の匿名の訴えを大騒ぎする意味はない。明確に名乗って言っていただければ誠実にお話しする用意はある。その方がご本人も気持ちがすっきりするのではないか。勿論我々サイドに、不審を持たれたり、疑義を訴えられたりする軽率な行為はあってはならないことだ。