これだけは私立学校の「飯のタネ」だから理屈ではない。ただただ熱く、誠実に、やるしかないのだ。公立学校は条例で入学定員が決まっているが私立は96校がしのぎを削って生徒獲得競争が始まっている。とにかく浪速高校と浪速中学校を理解して貰い、3月末のぎりぎりまで入学手続きが済むまで小緊張が続く。そして「最終的に何人の入学者になるか」、それが問題だ。終わりは無いが実に面白い。4月から高校、中学とも校長の交代があった。こういう時は危険でもありチャンスでもある。人事異動を成功させるためには来年度入学者の数値が極めて重要である。
私は入試広報部担当の教頭と広報部長に厳しく指導をした。それは中学校の第一回目の入試説明会で中学校校長はたった5分程度の「挨拶」だったからだ。誰が忙しい時間を割いて学校に来て頂いたのに、校長先生からの話は冒頭の挨拶だけだったと落胆させてはならない。その学校のトップたる校長は「どのような学校であり、どのような学校を目指しているのか」、それを自分の声で熱意を持って説明しなければならない。説明会冒頭の基調演説であり、所信表明であり、プレゼンテーションであり、これを校長がやるのが正しい姿である。言葉だけの時候の挨拶に始まる話など聞いている人には結局頭には何も残らないだろう。
パワーポイントを使い、自分の言葉で熱く語り掛けることによって「映像と言語」で深く理解をしていただける筈だ。二度と挨拶などさせてはならない。そういう経緯もあって昨日の二回目は「浪速中学校の目指す教育」のタイトルで時間も倍にして実施し、後で周辺に聞くと効果はあり、大変良かったとの感想であった。何時も後でアンケートを取るのだが印象に残った話として校長先生の比率が大きく上昇していた。「校長は誰だ?前に出ろ!」これが組織管理の要諦である。
コロナの中で心配していたが昨日のクラブ体験は対昨年度同じような数の参加者では、やはり吹奏楽部、硬式野球部、硬式テニス部、軟式野球部、卓球部などの希望者が多い。私はまず遠山監督率いる硬式の「フクロウスタジアム」に行き、その後高天原スポーツキャンパスの「浪速八咫烏庭球倶楽部」を回って高畑コーチの人気ぶりを目のあたりにして喜んだ。この人のお陰で浪速のテニス部はますます勢いを増した。素晴らしい指導者だ。何と、何と吹奏楽部は一回では会場に入りきれず午前と午後の2回に分けての体験会である。総勢80人近い過去の新記録の数値となった。硬式野球部と硬式テニス部では保護者の方々に責任を持ってお預かりしますと私は本校への入学をお願いしたのである。