2021年6月2日水曜日

情報公開と説明責任

31日に理事会・評議員会が終わったからと言って作業がこれで「お終い、一件落着」とはならない。一私立学校と言えども、貴重な税金が投入されており、「情報公開法」が求める作業が残っている。これは平成13年に「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」等を起点として法制化が進み、要は国民に対し政府の説明責任を全うする観点から、行政機関及び独立行政法人等(認可法人も含む)が保有する文書についての開示請求権等を定められてからである。国民、都民、府民、市民に開かれた行政の実現を図るための重要な法律と言える。この情報公開法によって一般市民によるアクセスが保証され、市民は情報公開法が保障する「知る権利」を有することが出来た。裏返せば我々の「説明責任(アカウンタビリティ)」と言える。政府・企業・団体・政治家・官僚などの、社会に影響力を及ぼす組織で「権限を行使する者」が、株主や従業員(従業者)、国民といった直接的関係をもつ者だけでなく、消費者、取引業者、銀行、地域住民など、間接的関わりをもつすべての人・組織に説明責任を果たすのである。



 
本校も例外ではなく幅広く、府民、市民、受験者、その保護者等に対して「財務状況」「学校自己評価」等を学校のホームページにアップし広く外部の目に開示するのである。見た目、口先だけ、格好だけの学校に乗せられて入学はしたものの直ぐに財務的に破綻したなどは絶対にあってはならないから、受験者への説明責任を果たさねばならない。私はいち早くこの点を重視し、大阪府教育庁私学課の指導によって理事会の翌日に決算内容を開示している。それが昨日の6月1日である。次に監督官庁の私学課への直接的説明責任の作業がある。コロナで未だ日時は定まっていないがその内に連絡があるだろう。問題なければ以上にて令和2年度は終わりを告げ、令和3年度に全ての焦点は移るのである。ホームページでの財務の状況にある数値を見ても一般の人には今一つ分かりにくいと思うが、そこで公認会計士の監査結果とコメントが重要な意味を持つ。「粉飾決算」などが無いかどうかを目を皿にして監査した法的な国家資格を有した公認会計士の業務と発言は極めて重要である。

 


5月31日の理事会・評議員会に参加され監査報告をされて公認会計士のO先生のお言葉は以下のようなものであった。その一部を紹介したい。

“公認会計士のOです。まず、監査の結果、令和2年度の学校法人浪速学院様の計算書類は適正である旨をご報告申し上げます。(中略)

木村理事長が浪速学院に就任されて14年になりますが、純資産は累計で84億円の増加であり、毎年度に換算すると6億円程度の増加となっており、今年度末に純資産合計が125億円ですから就任時から3倍以上に増加しました。

この純資産に対応する資産は、新校舎を初め、多聞尚学館、ふくろうベースボールスタジアム、今回の高天原スポーツキャンパス等に具現化されています。また、財務面では今年度〇〇億円の自己資金による設備投資をされましたが、「長期借入金返済引当特定資産」〇〇億円を維持し、借入金残高と同額になっており、実質借入金ゼロの超優良な財務体質に変化はありません。

経営の要素として、「ひと、もの、かね、そして情報」と言われていますが、「ひと」は木村理事長肝いりの人事政策では教職員様のモチベーションが高揚する職場環境を整え、「もの」は絶え間ない教育施設の充実を図り、「かね」では特定資産の充実により財務体質を強化し、「情報」では、いち早く「ICT教育」を導入され、これら4要素が巧に連携し相乗効果を発揮しています。

最後に、コロナ禍の苦境を乗り越えてご発展されんことをご祈念申し上げて、報告といたします。“