私立高等学校に入る資金はまず保護者からの授業料を主体にした「納付金」と言われるもの、それに大阪府からの「補助金」と言われるものである。政府からの授業料支援金、府からの授業料の支援金は保護者に提供されるもので学校にではない。これらを合算したものが学校会計基準で「事業活動収入」と言われ、平成27年度までは「帰属収入」と言われていたものだ。他には外部からの寄付金などがある。神社庁から、同窓会から、教職員から、制服やアルバム会社など浪速ファミリー企業からの寄付金は年に一度新入学生が定まった時に頂ける。これらは微々たる収入であるが、大いに教育活動に効果を発揮している。以上述べたもの以外、すなわち直接的な関係を持たない外部機関から学校に入る資金、資金援助などは1円もない。
私の基本姿勢としては「外部に頼るな!自ら自立せよ!」であり、寄付金に頼った経営はして来なかった。従って「外部とのしがらみ」は一切ない。これは実に気持ちの良いもので、自分たちで稼いだ金は自分たちで自由に使えるのである。あくまで資金の主体は納付金と補助金であり、我々はこのお金で生きていると言える。従って私が生徒数を増やす、生徒数を保つことに躍起になっているのは分かって貰える筈だ。収入は生徒数に比例しているからである。ただ一つ、外部からの資金援助をして頂いている機関は「帝塚山ロータリークラブ」である。
奉仕を基本理念とするロータリークラブは全世界にあるが本校のある地区に帝塚山ロータリーはあり、年に一度夏休み期間中にインタアクトクラブの生徒を5名、教諭1名をアジアを中心に海外研修に1週間派遣して頂いている。結構大きな金額である。本校のインタアクトクラブは1982年4月1日に提唱を受け発足したから、もう40年に亘って活動してきており、このクラブへ手塚山ロータリークラブは支援を頂いてきたのである。大きな影響を生徒に与える海外研修は本当に有難い限りである。府内の10のロータリーそれぞれの地区の学校である清風高校、大阪桐蔭高校、四天王寺高校、高槻高校、開明高校など10校が同じように海外派遣をしてくださっている。
この帝塚山ロータリークラブが60周年の節目の時を迎え、昨日「ザ・ガーデンオリエンタル大阪」にて記念例会と祝賀会があり、お招きを頂いたので参列した。以上のような関係から私が行かないわけにはいくまい。インターアクト部の顧問のT教諭と共に出向いたのである。主賓席を用意され、祝辞を述べさせて頂いたが、コロナで2回も延期され、ぎりぎりのタイミングでのノンアルコール、アクリル板に挟まれた円形テーブル祝賀会だった。斯界の名士とお連れ合いの参加者でクラッシック音楽やジャズが生演奏される実に品の良いパーティであった。会長さんやガバナーと言われる上部機関の幹部から「ロータリーに入ってください」と熱心に誘われたが、今は外部機関への参加は控えていると丁重にお断りした。会員になるより支援を頂ける立場が学校の為には良い。