英国で2年ぶりに開かれていた先進7か国の、所謂サミットG7が終わった。首脳による多くの決議や宣言が出されたが、日本にとって今回のサミットは多くの成果を得たのではないか。菅総理も一定の存在感を示し、格好がついた感じだ。何より自由主義先進国のトップから東京五輪とパラの開催支持を得たことは大きい。これでオリンピックは次のステージに入った。私もこのアラウンドで色々と書いてきたが、東京大会の実施を支持する。この期に及び、今更「やるか、やらないか」の議論などすべきではない。「既に実施段階」に入っていると言える。如何にしてこの大会を成功に結び付けるかが重要で、特に未だに反対を叫ぶ、皆さんに申し上げたい。一緒になって安全安心の大会、日本が変る節目の大会にすべく、日本全体でこのワールド大会を盛り上げるようにしようではありませんか。サミット以来全世界の人々がオリンピックを通じて日本という国を注視している。コロナに打ち勝った日本にしようではありませんか。
今朝ほど保健体育科の「今井謙一教諭」が挨拶に部屋に来てくれた。正式に「第32回オリンピック競技大会(2020/東京)」に「日本代表選手団」の一員に選出された報告だった。分かっていたとは言え、名簿の中に本校の教諭が載っているのを見るのは格別な思いがする。団長は日本テニス協会専務理事の福井烈先生、総監督が陸上競技連盟専務理事の尾縣貢先生、以下メディカルドクターを含めて16人、空手道部は選手が8名、監督コーチが11人でその中に「今井謙一、浪速高等学校中学校」とあった。男子組手の監督に次ぐ席次2番目に名前があったが、素晴らしいことだ。大阪府内は言うに及ばず、一私立学校の教員が今回のオリンピック選手団の一員である。私にとっても初めての事で何をしてやらねばならないのか良く分からないが早速高校校長に指示して「壮行会」的なものを検討するように言った。
今井先生の教え子である浪速の卒業生から正式の選手が出る、出ると言われ続けてきたが紙一重で選手には選出されなかった。それほどオリンピック選手に選ばれるのは厳しいことなのである。又この世界では普通、大学関係の指導者が選出される中で中高の私立学校の指導者が日本代表のコーチ就任とは異例中の異例である。技量、技術は当然の事であるが選出された理由は「指導者としての人物」を見られたからに違いない。あくまで指導者の立場に立つものは「人物」である。もう15年私は彼を見続けてきたが物腰がとにかく立派であった。鍛えられた身体にも関わらず、どちらかと言えば沈着冷静で何より「礼節」が素晴らしかった。所謂礼節とは、言葉の通り「礼儀と節度」のことを指し、「きちんとした礼儀と節度のある態度」のことを意味し、他人との関係を保つために必要とされる行動・作法のことを表す人間として大切な言葉だ。礼儀は出来ても礼節の無い人間は良く観る。礼儀を行う心のことを礼節といい、表面的な付け焼き刃の礼儀ではなく、心が伴った言動といった道徳的な意味合いがあるが、「今井先生は礼節の人」である。
2011年3月、あの東日本大震災当日に浪速武道館は竣功した。私はこの一等地に空手道部の練習場「錬武館」を作った。「浪速改革の始まり」であった。爾来日に日に突き進み、府庁の当時の松井府知事に表彰された。全日本空手道連盟の笹川堯会長からは私も名誉4段の称号を戴いたり、多くの空手道関係者に知己を得た。全ては今井先生のお陰であり、本校のこの世界での存在感は大いに盛り上がった。あの時に武道館を作って良かったと、今つくづくと思う。後1か月後にはオリンピックが始まる。「日本のお家芸とも言うべき空手で是非メダルを獲得」して欲しい。今井コーチ、頑張れ!浪速学院は総力を挙げて応援しているぞ!