2023年12月7日木曜日

期末試験か、期末考査か?

 千早赤阪村の浪速中学校付属「多聞果樹園・農園」の管理をお願いしているHさんから「今年も良い干し柿」が出来そうだとの連絡が入り、見に行った。当初は多聞茶寮に複数本、植えている「渋柿」を干し柿にする積りでいたが、沢山の落葉がご近所のご迷惑になるので今は大半を愛媛県農協から生の渋柿を購入し、マニュアル通りに干し柿にしている。結構プロセスがあって、まず「剥き」「熱湯消毒」「紐かけ」「吊るし」「もみもみ」「焼酎散布」「もみもみ」「焼酎散布」「もみもみ」と工程は多い。大体3週間くらいで「アンポ柿状態」となるが私はもう少し寒風に晒し、固めが好みで来週13日くらいには出来上がるので、まずこれは14日に中学1年生全員に食べて貰う。彼らは「干し柿の何たるか」を知らない。柿は知っていても渋柿を干したらとても甘くなり健康食品だと言うことも知らない。これも浪速中学校の教育の一つである。 

今日で学期末の定期試験が終わった。このタイミングを狙って中学3年生の卒業アルバム写真の撮影を計画していたが風が強く、延期したが私の写真は撮られた。アルバムの冒頭を飾る写真で腕の良い片山写真館さんも大層丁寧に撮って下さるが「被写体」が良くないので出来は「そこそこ」である。場所は2カ所、新中学校棟建設工事現場と開校100周年記念の「祈願の碑」前であった。ここに立て、右、左と言われるままに移動し複数枚撮った、この為に昨夕は散髪屋さんに行ったのであるが、風で髪が乱れて今一つだ。被写体も小さいし、撮り直しになるだろう。

 


ところで本日終了した期末試験であるが本校では教務内規においては「試験」という言葉を使っている。私などの時代は「考査」と言う言葉であったように記憶している。好奇心旺盛で何でも「知りたがり屋」の私は本校でその昔、この違いを調べたことがある。「期末試験より期末考査の方が格好良い」と思いませんか。ただ入学試験は入学考査とは言わない。いずれにしても学校には独特の言い回しがあり、それを理解することで「教育の歴史」を知ることが出来る。考査とは「精選国語辞典」「国語実用辞典」「標準国語辞典」「新小辞林」「岩波国語辞典」を調べても、どれも大体同じようなもので「学校での生徒の学力を試験によって調べること」「学校で平素の学業成績を調べること」とあった。 


要は話は簡単で「考査とは学校での試験」のことで大きな違いは無いのだが、更に調べてみると考査と言う言葉は「明治時代から」教育の現場で使われ始めている。起点は明示33年の「小学校令施行規則」に考査のことがちゃんと書いているのである。極めて興味がある文章である。試験の弊害を無くす為に単に一回の試験で卒業判定をするのではなくて「平素の行状、学業をも斟酌するを要す」とあるのだ。要は単にペーパーテストではなくて平常点で判断せよというのが「考査の始まり」と言うことなのである。それが何時の間にか「中学校・高等学校では定期試験云々」という言い方に変ってきているのである。確かに「考査の方が格調があって良い感じ」がするがどうして変っていったのか知りたいと思うではないか。この続きは又別途の機会に。