2019年12月11日水曜日

今を一生懸命に生きる!


学校には様々なタイプや経歴の教員がいる。「それが良いのだ!」と思う。同じようなタイプの同世代の人ばっかりだったらその組織はもはや活性化など有り得ない死に体ではないか。組織で揉まれて伸びる事も無く、教師としての成長も無いだろう。「人間とはそこまで生きて来た過去の累積の結実が現在の姿」である。過去を恨み悔んでも詮無いことだ。大切な事は明日の自分である。「今を一生懸命に生きる」ことが大切である。常に自らの成長を図る意識と努力が重要である。その為には「謙虚」であることだ。特に教師と言う職業を選択した人間にとって最も大切なキーワードは「至誠、謙虚、努力」だと私は思う。

 
 


来年4月1日に新しく8人の専任教諭を迎える。昨日「内示」をした。内女性が6人、男性が2人となっている。男女差などは関係ない。学校と言う場所の素晴らしさは昔から「男女差は全くない」。1円たりとも男女間で給与差はないし、皆さんが総合職だ。すべての人が最高学府である大学や大学院で学んできた人の集団である。このような組織は学校以外は恐らくないだろう。しかし大学教育と実際の現場で学ぶ内容はまるで異なる。仕事をしながら人間として成長し、真摯に生徒に向き合うのが教師である。世の中に学校の先生ほどやりがいのある職業は無い。「先生、万歳!」だ。

 
 



理事長・学院長Aroundから考える理想の学校像と教師像

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 理事長・学院長Aroundを拝読し、非常に心に残ったのは、以下の3つの記事である。

 ・「グッド・スクール」に向けて(2019516()

・先生は生徒の事を愛していますか?(201935()

・生徒の顔を見るのが好き(201976()

 この3つの中でも、「『グッド・スクール』に向けて」の記事にある、理事長・学院長の目標とする「グッド・スクール」について、非常に感銘を受けた。

 

 私が約4年半前、浪速高等学校で非常勤講師として仲間に加えていただいた時、非常に感動した出来事があった。中央館の完成直後で、工事の関係から自転車を武道館前に駐輪していた時のこと。退勤の際自転車を出そうとすると、数台の自転車が倒れた。その時、私が担当していない学年のダンス部員と思われる女子生徒が4名、その様子を見て走り寄り、「大丈夫ですか。怪我はないですか。」と自転車を起こしながら声を掛けてくれたのである。

 

大学院を卒業してから勤めた学校は前任校である男子校たった1校で、その学校での教師生活が約10年にも及んだ私にとっては、女子がいる空間での授業に慣れず不安であった。いろんな学校の生徒とも接してきたが、このような声掛けができる生徒に出会ったことがなかったので、とても感動したことを今日のことのように鮮明に覚えている。このような気配りや声掛けが日常生活で自然と出てくる生徒を育てる浪速高等学校の教育環境と先生方のお力を目の当たりにし、この学校で長く働きたいと考え、今日に至っている。

 

 理事長・学院長は、「ウイングの広い学校」「色々な経歴や志望を有した生徒が混じって目を輝かせている学校こそ『グッド・スクール(良い学校)』なのである」とおっしゃっているが、正にその通りで、これから求められる学校像だと考えている。生徒がそれぞれに目標とする道を進めるように、「人間を育成する」ことができてこそ「グッド・スクール」であり、そう導けてこそ一人前の教師である。「人間を育成する」とは、決して「エクセレント」な生徒だけを指すのではない。人間として当たり前のことを馬鹿にせずちゃんとする生徒を育てることだと考えているからだ。その点で、理事長・学院長のお言葉に非常に感動した。

 


 私自身、学生時代にある先生からいただいた言葉で教育業界に飛び込む決意をした。「5年後、10年後に、その生徒がそれまで歩んだ道を振り返った時、『あの時頑張って良かった。間違っていなかった。』と思えるように、1人ひとりの将来をしっかり見据えて支え、時には叱咤激励をしながら導くのが教師の勤め」という言葉だった。生徒が2500人いれば2500通りの人生があり、全員が「エクセレント」を目指すとは限らない。「資源の無い日本こそ唯一の資源は日本人だ」と理事長・学院長がおっしゃるように、個々の持つ力を最大限に活かし、自信をもって社会に貢献できるように導く教育が必須であり、ここ浪速高等学校・中学校にはそれがあると考えている。

 

理事長・学院長が「人間として基本的な事を学びながら自分の目標に向かって『努力と忍耐』することのできるような教育、指導、教育環境の整備こそまず教科指導の前に重要だ」とし、多聞尚学館や浪速ふくろうベースボールスタジアム、高天原スポーツキャンパスなどの施設だけでなく、ICT教育に対応した機器の充実などにも、常に最先端の技術を取り入れ生徒がより輝ける環境を提供して下さっている。このような学校は、他には無い。それだけではなく、先生方それぞれの個性を十分に発揮できる環境とサポートが整っていることも魅力である。このような環境があるからこそ、先に述べたような「人間力の高い」生徒が育つのだと感じた。

 

私自身、英語の苦手意識を拭えないまま学生時代を過ごし、それを克服すべく敢えて教師の道を選ぶことに決めて今日がある。そして、ここ浪速高等学校・中学校で、その経験を生徒たちに還元したいと考えている。私が指導を担当するⅡ類やⅢ類の中には、英語を苦手とする生徒が少なくはない。そういう生徒たちに、少しでも興味を持ち、勇気を持って一歩踏み出してもらえるようにすることが、私にできることである。また、生徒それぞれが、将来必要となる英語の力は様々である。幅広い視野を持って柔軟に対応することが、今後も求められる。自らの体験を通して、「ウイングの広い」指導ができるように常に心掛ける所存だ。

 

浪速高等学校・中学校という常に進化し続ける素晴らしい環境で、それぞれの生徒が持つ将来の可能性を見据え、5年後、10年後、そしてその後も、「浪速高校・中学校を選んで良かった。」と思ってもらえるように支え導く力に磨きをかけ続ける努力を惜しまない、そのような教員で居続けることが私の理想とするところである。