2021年9月13日月曜日

教職員のワクチン接種

 世界中、どの国もどの組織も「躍起となってワクチン」を確保し、国民に打ってもらおう」としている。足掛け2年の格闘と言える。「この学校の設置者として私も必死」だ。本校で働いている教職員、レストランや守衛業務の方々、出入りの協力会社の皆さん等々に接種をお願いしている。今朝も二人の教員が部屋に来て人は先週一回目を打ったと、もう一人は予約が取れたと報告に来てくれた。新型コロナウイルス感染症の最も効果ある処方がワクチンであることは「科学的見地、医療専門家の意見でも明確」であり、確かに3密を避け、マスクや嗽、手洗いも効果はあるが、それはあくまで予防策でしかない。場所によって空気中にウイルスがぶんぶん飛びまわっている状況に違いは無い。しかしワクチンを個人が打てばそれは「集団免疫となってウイルスを撃退することが出来、万が一感染しても発症を抑え、重症化を防げる」ことはデータからも明確である。だから社会生活を営む以上ワクチンは必須であると言うのが「現時点の正義」であると言える。

 しかしだ。同時に「基礎疾患がある」「アレルギー体質」「ワクチンは怖い」「発熱したら身体に異常が出る」「子どもが産めなくなる?」等々の個人意見もあって特に個人の自由を標榜している自由諸国では100%接種とはなっていない。代表的な国はアメリカだ。ワクチンの主たる生産国であり、日本より早く接種を呼び掛けたが接種率は約50%に留まっている。アメリカ政府は賞金や商品を出すなど若者の接種を強く呼びかけても一向に数値が上がって来ない。その点、5か月も遅れてスタートした我が国は政府の強い旗振りもあって2回目接種が50%に近づいた。これを受けて徐々に第5波の感染者は減少してきていることは事実である。このままのペースで言えば11月には70%を超えるとの報道もある。又同時にワクチンの効果は徐々に薄れるために「ブースター接種」と言って3回目の接種も議論され始めた。日本政府は年明けには13000万回分のワクチンを用意しているのはこういう背景だからである。



 今日は月度一回の「学校安全衛生保健委員会」が学校医のご出席の下、開かれた。私は本校の生徒の感染状況と教職員のワクチンリストを例月のように学校医に用意し認識して頂いた。特に学校医は内科がご専門でワクチンについてご見識が高い。今日もアレルギーとワクチン接種についてお話を伺った。今私の頭を悩ませているのは「接種出来ない、しない」との個人的判断をしている教職員についてである。9日の読売の朝刊は「ワクチン打たぬ乗員 解雇」の記事があった。キャセイ航空は「接種せず、打たない理由の診断書」も出さないとして「少数」の乗員の解雇に踏み切ったのである。同社は「顧客や地域社会の安全確保が極めて重要だ」とコメントしているが、相当「腹を括った」判断で私には分かるような気がする。飛行機のお客さんと乗員を守るためである。ワクチン証明を有していない乗員と同じ狭い空間の飛行機に長時間と共に居るのは確かに相当勇気がいる話だ。





一方11日の朝日はワクチン未完了なら感染リスクは、デルタ株流行後、5倍感染しやすさで、入院死亡リスクは10倍を超えるとアメリカの「疾病対策センター(CDC))の発表を記事にしていた。ウイズコロナとアフターコロナは「最低限ワクチンから」始まると言っても過言ではない状況である。本校で働いている教職員をワクチンを打たないからと言ってキャセイ航空と同じように解雇をする積りはないし、出来ないと思っている。しかしここは「将来ある未成年の若者が朝から夕方まで狭い教室で勉学にいそしむ学び舎」である。そこで特に生徒に接する機会の多い教員には最低限自らも感染を防ぎ、生徒にも感染させない手段をぼつぼつ決定して実行に移す時期かなとここに決めたのである。辛い仕事だがこれが出来ないようなら私立学校の設置者として「責任は果たせない」と思うのである。今日の委員会で私はこの辺のところを丁寧に話したのである。