2022年1月14日金曜日

明日に向かって力強く生きよ!

 人間には「苦難の秋」はあるものだ。生きて行く中で「挫折」を味わう、味わわされることは“まま”ある。私など長い間生きてきてどれくらいあったか、数えきれないくらいだ。悔しく、人知れず涙を流したこともある。「人間にとって最も怖い存在は人間」である。幽霊など少しも怖くないが生きている人間が最も怖い存在である。企業社会から教育界に転じ、これで少し楽になるかと期待もしたが、そのような事はなく挫折を感じたことは少なからずあった。しかし私は「七転び八起き」ではないが、歯を喰いしばって頑張り、これらを乗り越え、今がある。今日は東京オリンピックの空手道組手の日本代表であった植草歩(うえくさ あゆみ)さんが来てくれた。去年から本校空手道部の指導をしてくれている外部指導者のお一人である。

植草さんは、千葉県八街市出身の女子空手選手であり、高校空手界の古豪柏日体高等学校(現日体大柏高等学校)から空手道の特待生で帝京大学に進学し香川政夫師範に師事した。大学在学中の2013年にはオリンピックの正式種目になっていないスポーツ大会で、コロンビアのサンティアゴ・デ・カリで行われたワールドゲームスで金メダルを獲得し一躍注目された。空手道の帝京大学卒業後は企業に所属のままで2015年に行われた全日本空手道選手権大会の個人組手で初優勝となり、2016年には皇后盃が下賜された初の大会で連覇、2017年も優勝して3連覇を果たした。当然空手道界は「新星現れる」として当然のことながら金メダル候補として代表選手に選ばれた。しかし現実は厳しい。私はテレビに釘付けで彼女の試合を観たがまさかの展開で準決勝にさえ進めず予選敗退となった。

 オリンピック前にお会いして以来であり、私は慰労金を差し上げてオリンピックでの労を労った。当時彼女の身辺の問題は週刊誌などにも書かれたが、今は明日に向かって頑張っている様子に私は一安心した。彼女も「浪速ファミリーの一人」として私は捉えており、このように私に足を向けてくる人間は今後とも大切にしてあげたいと思う。何時でもかくまって上げる積りだ。私の話しを聞きながら彼女は「大粒の涙」を流しておられた。心のうちに込み上げるものがあったのだろうことは容易に想像できるが、もう全ては過去の事である。今日は様々な事を話し、激励した。今現在、自分自身があるのは多くの人とのご縁ご支援の賜物であり、この事を忘れてはいけない、人間として最も大切なことは「謙虚さ」であり、これを忘れることなく、「明日に向かって持ち前の力強さで生きて行きなさい」と言って部屋から送り出したのである。 最後は笑顔を取り戻していた。


次いで入試広報部長とY副部長が今朝大きな記事になっている府内私立中学校の志願者状況の新聞記事を一覧にして分かり易く分析した資料を持って報告してくれた。昨年度より2名増えた受験者を15日の一次A入試を皮切りに、16日の一次B入試、18日の二次入試、そして1月22日の新入生登校日まで気が抜けない日々が続く。中学校の卒業して行く3年生は3クラス、想定の新1年生は4クラスとなるが、幸い教室はあるので問題ない。令和5年の創立100周年を全学年4クラス、合計12クラスで迎える浪速中学校は堂々とした立派な私立中学校に育ってきた。安堵している。この心地良い安堵感は実に何とも言えないくらい気持ちが良い。精神的疲労感は吹っ飛ぶ。