2022年4月7日木曜日

春季例祭と学院長講話 特に「鼉太鼓」

 今日はまさに晴天に恵まれ、素晴らしい「春季例祭」となった。「校内の桜」はまだ花びらを付けている。市内の坐摩神社神職に拠るご斎行は何時もながら「きりり」とし、品高く、静かにそれでいて朗々と「祝詞」が奏上された。新一年生高校878人、中学133人、全校生徒総勢2652名が祝詞の中にあり学院神社の大神様に新年度のスタートを寿ぎ平穏無事、学業成就が祈願された。雅楽部と神楽部による「尚学の舞」は荘厳に奏でられ舞が奉納された。それにしても全て自前の生徒による奉納は本当に誇り高い。例祭の後は生徒に「直会」の品としてノートブックが神様から手渡された。例年と寸分も違わずに斎行できた。玉串奉天は時間短縮で祭主たる私のみが実行した。本当なら全校生徒が神社前に揃うのであるがコロナの事もあり代表生徒のみでリモートによる参列とした。 


私は「学院長講話」において、春季例祭の意義、直会の意味、そして尚学の舞の由来などから話を始め「勉強することの大切さ」を強調した。祝詞にあった「ともがらと睦み、なごみて,身健やかに」の意味をかみ砕いいて諭し、みんな仲良く頑張るように激励をしたのである。その後1日に着任した教職員をテレビカメラの前で紹介し、早く新しい先生となじみ、教えを乞う様に生徒達に伝えた。最後にロシアに拠るウクライナへの侵略戦争にも言及し、平和な中で生きて行くことの重要性を強調し、特に10代から20代へのコロナ感染の高止まりを述べて自らを守り、大切な人を守る為にやるべきことをしっかりとやろうと強調して講話を終えた。

特に映像を使って本校の「宝物」である「鼉太鼓」について生徒に説明した。和太鼓は、縄文時代には既に情報伝達の手段として利用されており、日本における太鼓の歴史は非常に長い。 日本神話の天岩戸の場面でも桶を伏せて音を鳴らしたと伝えられている。中でも鼉太鼓は、鉄輪に張った革を太い紐で締め上げ張力を出す、巨大な締太鼓(しめだいこ)である。国宝の春日大社の鼉太鼓は今NHK大河ドラマの主人公源頼朝からの寄進で鎌倉時代の作であるなど、日本にも数少ない鼉太鼓を本校は有していることなどを話しを展開して、「神社神道の学校で学ぶ誇りと矜持」を忘れてはいけないと指導した。歴史秘話みたいな話には生徒には食いつき易い。 


歳を取ってくるとついつい話が長くなるものと自分ながら警戒しているが、言いたいこと、伝えたいことをパンチを持って話すのが大切だ。何を言っているのか分からないようでは人の前で話す資格は無い。まして原稿の棒読みなどは意味がない。入学式の学院長式辞も「少し長かったかな?」と思ったが式後保護者の方々が駆け寄ってくれて「先生、素晴らしいお話でした」とお褒めを頂いた。時間の長さより如何に聞く側の心に響く話をする方が大切であり、私は今日の学院長講話でも話し終えて「確かに生徒や教職員に伝えた」確信を持てた。3月末から今日まで予定に埋まった毎日であったが今日で一段落となった。明日からは具体的な活動が始まる。