学校法人浪速学院理事会・評議員会の日であった。令和3年度の決算を固める「公益法人」としては最も重要な会議の日であると言える。1年間の事業の成果と現状が本日の資料の中に全て包含されている。式次第は以下のような展開で進めた。
1.開会の挨拶 学校法人浪速学院 理事長 木村智彦 2.議事(1) 理事長、常務理事より
「法人経営と校務運営の理事長、常務理事による総括報告」について 理事長より
(2)理事長の総括報告・提議・審議事項を受けての各種報告について
① 令和3年度決算(案)(資料1)並びに令和3年度事業報告(案)
② 令和3年度決算に係る監査報告(資料3)及び公認会計士による総括
③ 令和4年度入学者数(高校・中学校)他校比較 資料4
④ 令和4年度 働き方改革「アクションプラン」実施に関する活動状況 資料5
⑤ 令和3年度学校評価について(中高)資料6
⑥ 浪速国際コースの状況と「ターム留学制度」設立について(資料7)
(3)その他
① 役員人事について
② 労基事案について
③ 創立100周年記念事業寄付金の状況
これらの中味について私以下、この学校法人に専従して仕事をしている人間が「あれこれ自慢たらしく説明」しても意味は無い。又本日出席の神社界を主体にする校外の理事や評議員の方々も言ってみれば「仲間内」であり、「外部の目」からの評価を規定しているのは法律である。最近、企業や大学などの不祥事の調査などで耳にする「第三者委員会」的なものと理解すれば分かり易い。即ち公認会計士の先生の厳しい目で監査された決算が求められている。私はこの5月の決算理事会では公認会計士の先生にご出席を賜り、全出席者に先生のお言葉で監査結果の発表をお願いしている。この話が全てであり議事録にも残されている。先生のご発言は以下の通り:
監査報告(理事会)
公認会計士の●●です。いつもお世話になっております。まず、監査の結果、令和3年度の学校法人浪速学院様の計算書類は適正である旨をご報告申し上げます。
令和3年度も令和2年度と同様、設備投資や借入金の繰上げ返済により「基本金組入」が〇.〇億円発生した結果、「事業活動収支計算書」の「当年度収支差額」が△〇.〇億円になりました。この「基本金組入」という学校会計特有の会計処理は、貸借対照表の純資産の部の繰越収支差額を基本金に振替える処理であり、純資産の部の内部の振替に過ぎず、純資産の金額に影響はありません。このことから、浪速学院の利益は「基本金組入前当年度収支差額」〇億円ということになります。また、令和3年度は教職員への過年度給与の遡及金支払が●.●億円ありますから、実質●.●億円の利益ということになり、安定的な収益構造に変化はありません。
また、財務面では、令和3年度に〇億円の借入金繰上げ返済をされましたが、年度末の借入金残高〇〇億円であるのに対して、長期借入金返済引当特定資産も同額〇〇億円を保有しており、「実質無借金経営の盤石な財務状況を維持」しています。
通常、学校経営で設備投資をする際には、設備の耐用年数50年程度を借入金の返済期間に設定することが多く、設備が増加すれば、総資産は増加しますが、借入金という負債も増加し、純資産は変化しないものです。規模だけ大きくなりますが、純資産はそのままです。
ところが、浪速学院は、借入返済期限を15年間という異例の短期間に設定するばかりではなく、なんと毎年4億円の返済原資を積立て4年で実質無借金経営にされました。純資産は毎年4~5億円増加し、学校改革が始まって15年間で純資産は3倍になり、この年度末では128億円に上り、自己資本比率はなんと87%と驚異の高さです。
このような高収益体質は、木村理事長・学院長の戦略的な強いリーダーシップの元、積極的な設備投資により、教育環境を充実向上させ生徒増をもたらし、職場環境も改善され、教職員のモチベーションを高め、それが生徒への教育に還元されるという好循環をもたらした結果と言えます。まるでブースターが内蔵されたような経営です。
最後に、コロナ禍を乗り越えて創立100周年を盛大に迎えられることをご祈念申し上げて、報告といたします。