「軟式野球部」が躍進している。夏の大会が終わって私は部長を交替して貰った。「人心一新」が目的で特段の理由はない。後任の部長顧問である「責任教諭」はまだ4月着任の本校勤務1年目の若き常勤講師の先生で国語科の先生である。従来、専任教諭が務めて来た役職を契約1年単位の常勤の先生にしたのは本校では慣例を突き破る人事采配であった。しかしこの人事が功を奏したのか、「チームの気分は一新」され、秋季大会は遂に近畿大会の出場を決めるなど素晴らしい成績で躍進中である。この若き獅子の評判が極めて良い。とにかくこの種のスポーツではまず監督が「伸び伸び」と自由に自分の采配を振るえるようになり、クラブ員である生徒は新しい空気を感じとり、これまた自分たちの頭で考える野球になるようになったと見える。とにかく何でもかんでも組織は「トップが決め手」であり顧問は「陰に回り」、監督と生徒を支えるものだ。
分掌業務に精通し、上司の指示に従い、人、仲間との付き合いも良く、生徒の声に耳を傾け、保護者とも上手くやっていける先生であれば「喉から手が出る」くらいに欲しいが、そうはいっても「学力はありません」では本校では専任教諭には出来ない。そうでしょう!学校の教師が大学共通テストの問題を解けず、全国の高校3年生の平均点を下回るようでは「私は教師です」とは言えないと思う。これでは生徒や保護者に申し開きが出来ないことを理解して欲しい。若い時に勉強した証左とはこういう時に「さらさらと問題が解ける」実力を持っているということである。何も人格の否定などしていない。人生の優先順位の問題だと理解している。本校は進学校であり、殆どの生徒が大学進学を目指す。そのような学校の教師として私は期待しているのである。問題は解けないが他に出来ること、爽やかなことは一杯あると詰め寄られても駄目だ。今までもこの線で来ました。これは雇用する私の信念であります。