昨日のアラウンドにおいて私は京都「お宿いしちょう」さんに赴き、高校3年生対象の大学受験特別対策講座において自分の言葉で生徒に「思うところ」を語ったことを書いたが、今日は学校で行われている「高校2年生トップ60」と銘打った学習強化講座で同じように生徒に語った。このように折に触れて「生徒に語ることが私の仕事」である。トップは何時も語らねばならない。原稿など用意して話すのは語りではなくてそれは「朗読」である。生徒の顔を見ながら「本音で語る」ことで私の存念は生徒に伝わる。従って私の場合原稿は無い。有っても頭の中で多くの引き出しから取り出してそれを語るのである。あくまで最後に決めるのは生徒自身であるが、その決断に至るまでに教育という営為を行っている学校の設置者として語るのは私の責任である。生徒と保護者は高い授業料を支払って本校に入学してくれ、毎日登校してくれているのだから、我々がまずやるべきことをやるのが私立学校である。
語りは嘘偽りなどあってはならない。誇張も良くない。全てを正直にありのままに分かり易い日本語で話すのが私のやり方である。今回も君たちは本校でのトップ60ではあるが、全国の高校2年生の中ではトップ60どころではないというところから話を切り出した。大学は通過点でありあくまで自立した社会人になるのが目的であり、偏差値の高い大学を卒業するということは自分に向かってくる「機会」が多いというだけで世の中にはその飛んでくる機会を掴めない人が多いと続け、必ずしも人生の成功者とは有り得ないと話す。まず志を立て、今出来る事を一生懸命やることで努力、努力、努力が必要だと強調した。とにかく生徒の目線を釘付けにして努力への発火点に火を付ける為に「手を変え、品を変えて」私は生徒に語る。「おしゃべり」ではいけない。とにかく「熱く語る」のである。
昨年から始めた高校入試の為の「オープンキャンパス」の参加申込者が驚くような数値になっている。明日の29日と明後日の30日と2日連続で「授業体験会」を実施するのだが事前申し込み者は前年を大きく30%も上回っている。入試広報部長も驚いていた。極めて嬉しいことで「人気校」としての責任をしっかりと果たすように指示をしている。大阪府が進めている高校の完全授業料無償化施策の影響もあるのだろうが、ここ数年前から本校への入学希望者は増え続けており、無償化とは直接的には関係ないと思う。「良い学校だから人気がある」のであって、授業料が無償化でも受験生が良くないと思っている学校には受験生は行かない。私は「嬉しい悲鳴」を上げている。
今日は天神祭りも終わったので完成した先の開校100周年記念事業の「記録映画のDVD」を持って天満宮の名誉宮司、本校の名誉理事長である寺井先生のご自宅を訪問し、色々とお話した。御年90歳になられるが「私などはまだまだ小僧」で今日も90歳まで頑張って欲しいと激励された。私が生徒に対して激励するような大ぶりな感じではなくて小さな声でゆっくりと諭されるように言われるとこちらも静かに耳を傾けるのである。人それぞれに語りの方法はあるが、御年90歳のお方の言葉は最早「お告げ」に近い。「人生の蓄積」とは素晴らしいものだ。私も90歳まで頑張ってみるかと、そのような気になるのだ。