「南海電鉄」さんとのお付き合いが徐々に深まってきている。有難いことだ。今でも多くの生徒が南海電車に乗って登校してくる。南海電鉄さん本体からも法人役員としてK理事を出して頂いており、このお方のお陰で陰に陽に我々の教育活動は助けられているし、陽が当てられている感じである。先の100周年時にもご寄付を頂き、多くの方々が参列して下さった。又南海電鉄グループ企業さんとの距離も近くなっており、例えばこれらから本格的建設に入る新中学校棟の請負はこれまたグループの有力会社である「南海辰村建設」さんである。ちなみにこの南辰さんとは我々の「学校改革」と共に歩んで頂き、多くの新設備建設を見事にやって頂いた。最初の「浪速武道館」「高天原Kフィールドクラブハウス棟」「NS館」などは全て南海辰村さんの仕事で大きな効果を出している。
又グループの有力企業である「南海国際旅行」とのお付き合いも長くなって来ている。伊勢やPTAなど日帰りツアーの企画と実行では実に丁寧で誠実な仕事ぶりは特筆すべきだと私は評価している。海外旅行や国内旅行、格安新幹線ツアーなどオリジナリティ豊かなツアーを企画し、信頼と実績のある会社だと確信した私は、ここで新たな仕事をして頂くことにした。旅行エージェントを標榜するのであれば「教育旅行、即ち修学旅行」を実行した方がより関係は深くなると考えた私は、本日社長さんにお越し頂き、来年度から浪速中学校3年生の修学旅行を一手に南海国際旅行さんにお願いしたいと申し上げた。旧制浪速中学校が開校して今年は100年、私はこの記念の節目の年に大切な中学校生徒の学校外での命を預かる修学旅行のエージェントに南海国際旅行さんの採用を決定したのである。
新中学校棟の建設に係る「確認済証」が正式に私宛に出され、遂に本日1本目のくい打ちが始まった。30メートル近い杭を合計30本以上も地中に打ち込み、基礎を固める。遂に本日本格的工事が始まった。記念すべき日だ。昼過ぎに伊勢でのHR合宿に行っていた中学1年生が2泊3日の宿泊合宿を終えて学校に戻って来た。出迎えた私は学校に戻った生徒の顔を見ながら、「この中学1年生が2年後の中学3年生になった時に最初の生徒としてこの新校舎に入る事になる」と思った。開校100年目の4月に入学した生徒が初めての使用者となるのだ。そして彼らは南海国際旅行さんの手配する旅程で翌年には修学旅行で屋久島に行く。このように何らかの意味付けを考えながら私は物事を動かしていく。これは性格であり癖かも知れない。全ての物事の成り行きには「物語が必要」と考える私は「タイミング」を考え、7月31日、新校舎の杭を打った、今日の佳き日に小さな、本校にとっては結構大きな物語を作って中学校修学旅行のエージェントを決め、物事を動かしたのである。