2023年7月27日木曜日

京都「お宿 いしちょう」での受験対策講座

 朝8時に住居に3学年主任のI先生の迎えを受けて直接京都に向かった。ところが事情があって帰りは事務室のKさんが学校車で京都まで迎えに来てくれ、11時30分には学校に戻って来た。京都の行先は河原町にある「お宿 いしちょう」と言う旅館で、知る人は知る幕末の俊英木戸孝允こと桂小五郎の旧居跡にある格式高い旅館である。女将の出迎えを受けて既に到着していた生徒41人に対して「夏季学習合宿」の開講挨拶を行った。昨年から利用している旅館でサービスには満足しているから今年もここにしたのである。 


このように夏の間は修学旅行で京都に来る学校も少ないから結構良好な宿泊場所が取れる。広い館内は大学生とか本校みたいな高校生だから安心であり、高校3年生の中で偏差値の高い大学を目指している生徒が今日から8日間、毎日「受験勉強」と闘う。教員も入れ替わり京都入りして指導をしてくれる手筈で、校長は伊勢だから初日の開講式は私が来て生徒を激励したのである。差し入れとして「焼き立てパン」を山ほど持って来た。話した内容は一に「努力」、二に「努力」、三四が無くて五に「努力」である。時に私自身の高校生時代の話を交え、これからの人生へのキックオフとなるような学習合宿となるように幅広く話した。時間は20分、生徒は受験生だからその目は輝きしっかりと聞いてくれた。終わった後ロビーである生徒は「先生、有難うございました」と丁寧な礼の言葉があった。 



この旅館は明治維新の元勲として知られる木戸孝允の旧居跡に建てられた旅館で、幕末には桂小五郎と名乗り、長州藩士、勤王志士、明治時代初期の大政治家である。号は松菊と称し、この旅館には石長松菊園という高級旅館もある。47歳と言う若さで早世したが、とにかく大久保利通、西郷隆盛とともに維新の三傑の一人に数えられる。私はここにくると木戸孝允の実物の写真や直筆の手紙などを見るのが楽しみである。生徒たちにもこの宿は京の風情溢れるなかにある木戸孝允ゆかりの宿だと話したが恐らく頭には残っていないと思う。しかし何かの調子にこの旅館の事がこれからの彼らの長い人生の何処かにおいて出て来るであろう。近代国家となった我が国はここ京都の地を中心に、多くの若者の熱量で維新が成就したのであり、「若者の特権は自分を変え周囲を変えることが出来る」と話したがこれも幾分難しかったかも知れない。まだ頭には志望する大学への合格しかないから。