2020年9月26日土曜日

GIGA・デジタルスクールの完成を急げ!

私は着任以来、基本的に出張はしないと決めて、そのように行動してきた。特に業界の会議などは一切と言って良いほど避けて他の管理職に代わって貰った。とにかく朝早く一番に学校に行き、執務室に「ドンッ」と据わってやるべき事を考え、次々と入ってくる教職員からの報告や様々な話が唯一の楽しみでありそれが仕事であった。トップ外交と言っても学校のトップが外に出歩いてばかりで学校に居ないなどは「あり得ない話」と思ってやってきた。その代わり、来客や訪問者の方々とは時間を取ってお話しする。それが又楽しみであった。特に初めてお会いする人などは「これがあの噂の木村?」みたいなお顔をしているのが直ぐ分かり、それがまた面白い。当然だがお越しになる前に事前に私の事を調べ上げているのである。 

来訪と言っても一部のメディアを除き、取材やインタビューの類もやらない主義で通してきた。記事やテレビでは細部に至るまで私の思いが表現されていない場合がままあるからだ。だから「アラウンド」で私の日常を発信している。しかし昨日は先般クロムブックを1100台、緊急に調達してくれた会社であり、色々とご支援を頂いた会社故に了解をしたのである。恩を受けた義理は果たさねばならない。パソコンのマザーボードで世界のトップシェアを誇る(株)ASUSさんから「ICT教育」について取材を受けたのだが、お話しながら新たな感覚が蘇ってきた。まさに「旬のテーマ」について話すことは、自らの考えを整理するのに役立つと思ったし、その道のプロとの会談は自分のやっていることの正当性と評価、「自分たちの世の中の立ち位置」に気付く。

コロナ禍の中で社会はオンライン、リモートとか在宅勤務とか新しい日常が出現しつつある。こういう状況の時にこそ「先陣で道を切り開いていく」ことが重要である。人の背中を追うな!自らがアゲインストの風を受けよ!と私は周辺に何時も言っている。今や本校の教員は全員が「グーグルの教育認定を受けたクロムOSの使い手」になった。このような学校は世界にはないと思う。

取材に先立ち、管理職と関係する分掌部長を集め、早朝のミーティングを持った。私はその席で「ギガスクール、デジタルスクール」構想をとりまとめ、完全にデジタル化された先駆的学校に移行する加速度を上げるように指示を出した。菅新総理は仕事師内閣として「デジタル庁」を早急に設置し日本をデジタル武装すると表明した。素晴らしいし着眼が良い。これに触発されたわけではないが、「更に歩みを早く」と私は「加油」、油を注いだのである。丁度この9月の連休を使って従来の1Gから「10ギガ」へ増強し各教室には2カ所のアクセスポイントを設けた。これで本校は敷地内あらゆるところで「フリーワイファイ」が整った。教職員、生徒全員がクロムブック端末を有しハードの形は一応整った。

次は前述したデジタルスクール実現に向けてソフトウエア、すなわちアプリケーションの開発である。私はM理事をセンターに据え、事務、高校、中学、入試広報の4部門にワーキンググループ長を指名し、一言で言えば「完全なペーパーレス学校」「オンライン申請」「オンライン決済」を可能にし、事務処理の合理化と「ハンコ学校からの脱却」を目指すことにした。又入試広報で言えば、市内各塾とのオンライン繋がりを実現したい。これは教職員の「働き方改革」に繋がる話である。夢はますます広がる。広大でゆとりがあり美麗な校舎、その内部にはデジタル電波が飛び交い簡単に世界と繋がる学校になった。後は細部の総仕上げである。まだまだ私の仕事は続く。