2021年7月5日月曜日

夏季賞与・一時金支給

7月2日の簡略版PTA総会は2か月遅れで実行され、必要な事はすべて決めて、一応形は整った。例年との格差を大きく感じるが、仕方がない。本当にコロナが恨めしい。大きな体育館に数百人の保護者が集まり、皆で昨年度の会計と今年度の予算が決定され、退任する役員の皆様に感謝状が手渡され、新役員が紹介され満場一致で決議される。愉しみは夕刻で学校側の幹部とPTA実行委員会の全員が勢ぞろいしてミナミに乗り込み、会食である。ご婦人たちは着飾り、華やかな雰囲気で会は盛り上がり、例年締めはPTA会長のカラオケと「とり」は私のド演歌だった。会はこれでは終わらず、私は失礼していたが有志だけで二次会だったと聞く。浪速高等学校、中学校の保護者は皆さん、中でもPTA役員の方々は立派な方ばかりで仲が良く、人間に品格があった。

 


しかしこの1年のPTA活動は完全に不完全燃焼であったと思う。浪速祭のバザーもなく、夕刻の打ち上げ会もなかった。成人教育委員会は近隣の名所旧跡などを訪ねる日帰り旅行を楽しみにされていたがそれも無かった。致し方無かったとはいえ、何かせつなく、PTAの皆様が可哀想で仕方がなかった。昨年の4月以降高校、中学の校長も変り、校長先生も張り切っていただろうが、親しく厚誼を深める機会も本当に少なくなった。それでも長年築いてきた浪速PTAの底力は大きい。この土台はこういう危機的な時にこそ力を発揮するものである。会の始まる前に会長以下幹部役員が理事長室に来て下さり、初めての顔見世となった。



子供が登校を喜ぶ学校は強い。子供が毎日喜んで登校する姿を見る保護者はますます学校の応援団になって頂ける。彼、彼女たちは学校に何かを求めるのではなくて学校に何らかのお返しと思ってくださっている。学校を媒体として個人の利益を求めるとか、PTAの間で何かおかしなことをするとかそういう事はここ15年間全く無かったと言える。とにかく「PTAは無償の奉仕」なのである。役員会に参加してくださる時間と費用を思えば私は頭が下がる。全役員の代表として退任する筆頭副会長に前に出て貰い、サプライズで「天孫降臨焼酎」を差し上げた時に私はこう言った。「ミナミには行けないが今晩はこれでも飲んで憂さを晴らしてください」と。そしたら彼女はニコッと笑って「理事長、一晩で飲みますよ!」と。私はこのお言葉を聞いて退任する実行委員会の役員の皆様の心中を推し量った。文句を言わず、要求せず、黙々と学校の為に尽くしてくださるこのような保護者のお陰で私立学校は成り立っているのだ。

 



私以下本校で働く教職員はこの事を深く、深く知らねばならないと思う。言ってみればPTA実行委員会の方々は学校法人浪速学院の経営に大きく影響する外部役員である。本日は令和3年度の夏季賞与・一時金の支給日であった。6月30日に支給された大阪府、大阪市の公務員賞与(期末・勤勉手当)は府が平均年齢40.5歳で平均支給額が834729円、市が41.1歳で784942円であったのに対し、本校は39.0歳で90万円以上である。府、市ともに昨年の冬から幾分下がっているが本校ではそういうことはない。世の中ではコロナで生活苦の方が増えているとの情報もあり、我々の現状は有難い限りであり、感謝しろとは言わないが、その分、生徒の為に、そしてPTAの方々の期待を感じながら益々頑張って欲しいと思うばかりである。