先程、第2班が大型バス5台に分乗して伊勢に向かって出発した。無事の帰還を祈念する。今日は酷暑だから十分気を付けるように引率責任のI学年主年に言った。私は昨日の第1班に帯同した。その後東京オリンピックがあるので少し間を空けて第3班は26日、第4班は27日となる。生徒総数は772人、付き添い教員は述べ50人、バスは述べ18台を使ってのまさに大部隊の移動である。例年は「2泊3日の伊勢修養学舎」なのだが、新型コロナで昨年は実行できなくなり、窮余の策で「日帰りお伊勢参り」に切り替えた。それも昨年は時期が遅れに遅れて11月だったと思う。今年も状況は変わらず、宿泊は不可能でやむなく今年も日帰り参りのお伊勢参りにした。しかし時期だけは例年通りに戻った。これだけでも嬉しい。「真夏の伊勢が良い」。
昨日は愛車オデッセイで初の遠出で事務室のKさんの運転であった。丁度良いドライブだった。この車は後部席が素晴らしいのだが、愛唱演歌CDを最新鋭のオーディオに取り込むために助手席にした。本当に良く出来ている車だ。常日頃の私は結構忙しくあちこち走り回っているが、それでもほぼ1学期の予定が順調に消化し、伊勢参りの時期になると「ほっと」一安心出来る。重要な学校行事だが、やはり学校内での校務とは異なり、幾分開放感があってリラックスできるのである。伊勢の往復で私の1学期は終わる。責任者は高校1年生の学年団のI学年主任、神道科の教諭が全面的に進行に責任を持って行う極めて重要な学校行事である。高校校長は全班に付き添う。校長時代の私は14年間、一回も欠かさず行ってきた。男子生徒に「禊」を実行できないのはくれぐれも残念であるが、それでも在学中に伊勢にだけは連れて行きたいのだ。
本校であればこそ可能なお伊勢参りである。卒業したら普通は伊勢に行ける頻度などは多くは無いし、生徒の中にはこれが最後と言う人もいるだろう。それだけに「日本の原点、心のふるさと」である伊勢神宮だけは行かしてやりたいと思う。それが神社神道の学校としての責務であると考えている。過去も未来も最も記念すべき学校行事でありたい。全国の神社の頂点に列せられている神宮へお参りすることは本校が存続する限り絶やしてはならない。この行事が無くなるということは本校が無くなるということだ。江戸時代、人々が「一生に一度は参拝したいと願った伊勢神宮」、江戸時代の日本の平均人口は3000万人だったと言われているが、「お伊勢参り」ブームの最盛期には年間500万人、実に6人に1人が伊勢に参拝したという記録が残っている。
平成から令和、ここ数年は年間800万人から1000万人が参拝していたが今はコロナの影響で惨憺たる有様であり、早く平常に戻って欲しいと思う。そういう中でも本校生徒は粛々と外宮、猿田彦神社、内宮を立派に参拝した。4月に高校生になったばかりの生徒達は早くも神社神道の学校に学ぶ誇りと自信を有しているような顔つきで宇治橋を前にした卒業アルバムの記念撮影に参列していた。自然の環境の中に身を置くという自然の教育とは本当にすごいものだと実感した。