受験生の顔を見るまではやはり少しだ心配はある。私は「心配症」なのである。来てくれるだろうか?その数は何人だろうか?欠席率はどれくらいか?毎年やっていてもこのような気持ちは全く同じだ。しかしそこがこの仕事の面白い所でもある。今日は「第1回浪速中学校のプレテスト」の日で、学校が取り仕切る模擬試験である。今日の数値から全ては始まり、この緊張感は来年の2月まで続く。しかし我々よりも小学校6年生がいまだ短い人生で最初に受ける選抜試験であり、その緊張感は如何ばかりかと思う。9時半担当教頭から試験開始と受験生の数の報告を受けてこの小緊張が幾分解放される。「良し良し、まぁまぁ」だった。今日は多くの小学校で運動会があってその分影響を受けているが、想定の範囲内であった。次は「11月18日の第2回目のプレテスト」であり、学校はこのようにダブルで機会を保障している。
日本の大学教育には三つの問題点があると中教審、大学教育部会は言う。まず学生の問題から言えば「勉強していない」。日本の大学生の学習時間(授業、授業関連の学習、卒論)は 4.6時間というデータもある。大学設置基準の想定している学習量 8時間 の半分である。この数値は国際基準の半分であり、日本の大学生は国際的基準の半分しか学習していない。教育の問題点の2は「密度が低い」と言われている。即ち「授業に関する学習」が少ないと言う事である。授業・実験の出席時間 授業関連の学習・卒論の為の時間はアメリカの大学生と比べても、差は大きい。要は勉強が深くないと言う事だ。
内定式に出て私は生徒達に「大学では勉強せよ!」「英語力を高めよ!」「本をもっと読め!」「多くの友人を持て!」「多くの場所を見よ!」等々を心の中で叫んだ。我が人生を振り返って、あの時代がつくづくと懐かしい。大学に進学するということは「ファッション」ではない。大学4年間の知見がその後の人生に大きな影響を与える。この事は大分、後になって分かるのだが、まだ発達途中の高校3年生にはピンと来ないのだろう。しかし私は言わねばならない。世界の大学の大学生は自由な時間の中で本当に良く勉強し考えている。日本の国力は日本の大学生のレベルに相当する。君たち自身の輝かしい未来の為に勉強せよ!頑張って欲しいとつくづくと思う。