忙しかった3月から4月にかけての「年度替わり」も順調に移行した。私にとっても今もまだ「ほっと」とした心豊かな「黄金の日々」が続いている感じだ。今朝も校内の桜は花を付けている。始業式まで桜が持ったのは始めての事だ。3月25日の「理事会・評議員会」で令和6年度の予算が決まり、4月1日は関係教職員に昇格、昇任、昇給の「辞令」を手渡し、新たに27名の「新任教職員」を迎えた新任式を済ませた。そして準備万端、5日に「入学式」を挙行した。何しろ高校1年生が966人、中学1年生が141人と合計1107人の入学式の熱気に私は圧倒され、責任感と幸福感が身体中に満ちて行くのを感じた。その日、夕陽が完全に落ちた後「合祀祭」を行った。翌4月7日は河内長野市の高野山遺跡本山「観心寺のお献茶」があり茶道部の生徒を連れて参列させて頂いた。素晴らしいお茶会であった。そしていよいよ今週の月曜日8日には「春季例祭」と「始業式」を済ませた。生徒総数は3089人である。
仮に学校を巨大な船に例えれば名前は「浪速丸」、この船に3089人の生徒が乗り込み、岸壁を離れ、エンジンの速度を上げている状況だ。ようやく「船出」が済んだ。私今は2700年前に初代天皇陛下の神武天皇が日向の地、美々津の港を出港した「海道東征」を想う。昭和15年建国記念に作曲信時潔、作詞北原白秋の名曲、海道東征の第3楽章「御船出」を深く思う。5日の入学式で吹奏楽部が見事に演奏してくれた。浪速高等学校、浪速中学校と言う船は静かなエンジン声を響かせながら今年1年の航海に出た。船出である。
「腐心(ふしん)」という言葉がある。心をなやますこと、心を使うこと、苦心することであるが、分かり易い表現に「心を砕く」と言うのもある。気をもむ、心配する、気を配る、苦心するであるが、新入生を迎えてまず我々が心を砕くことは、「早く学校に慣れ、友達作りと級友とのチームワークの醸成」である。授業、勉強はまだ後で良い。高校で言えば279校もの中学校から来ており、中学時代の「1中2小」どころなどではない。この意味は地域の中学には近隣の二つの小学校から進むと言う事であるが、これに倣えば本校は「1高279中」と言う事になる。公立中学の友と分かれ知らない顔の面々がゴロゴロいる浪速高校に進学した高校1年生の心理はさぞ複雑と考え、学校は「心を砕いて」早く浪高生になって欲しいと色々と「腐心している」のである。
その為に生徒達は「記念クラス写真」を撮り、今日から月末まで3クラス単位で「多聞尚学館」「高天原スポーツキャンパス」などの校外学習施設の見学に出掛けた。「オリエンテーション」である。私は出発する生徒を東征門で見送った。管理職が常に校外に出掛ける生徒を見送るのは「本校の美点」である。何しろ22クラスだから全クラス済ませるには4月一杯までかかるが仕方がない。この間、全学年の「検尿」、そして「健康診断」があり、13日は文化系の「クラブ紹介」が来る。「体力測定」は法令に従って行うが、これは17日としており、27日は「保護者の授業参観」がある。早い段階で本校のICT教育を観て頂く。月末の30日は「校外学習(所謂遠足)」を入れて新しい友達との距離を接近させる配慮をし、ざっと5月の連休まで学校は緊張感を持って航海速度を徐々に上げて行く。先行している中学校は高校よりも早い進行で、昨日は多聞尚学館から桜満開の多聞果樹園・農園・「イチゴハウス」で遊び、友と触れ合い、小学生から中学生になったことを喜び、「安心した」のではないかと思う。「いちごの甘さ」に歓声が途切れなかったそうだ。