2024年4月15日月曜日

とにかく新人は温かく、優しく迎える!

 「五月病」という最近では聞きなれない言葉があるが、厳然として今でも時に見ることがある。これは、主にストレスが原因で起こるとされており、 進学や就職、転居などで新しい環境に変わる人が多い4月から、特にストレスがたまりやすい時期に起こり得るものである。しかしこれは病院などで使われる正式な病名ではなく、 医学的には、「適応障害」、「うつ病」「発達障害」等などと診断されている。4月からの、もっと言えばその前から緊張が続き、それが5月ゴールデンウィークの連休でその緊張が緩み、「何か、パッとしない」「何となくだるい」「どうもやる気がでない」「朝、起きられない」「物事を悲観的に考えてしまう」という気分の落ち込みが5月病と言われている。これは大人にも子どもにもあり、私は特に重要し、新一年生と新任の教職員の様子を観ている。「何事も最初が大切」であり、「始め良ければ全て良し」とする考えで5月病に陥らないように施策を考えているのだ。ちなみに私などは色々と仕事が変わって来たが、5月病などには罹ったことはない。逆に5月になれば、燃え盛って「元気もりもり」になる。 

今朝も高校1年の第4班がバス3台で校外学習施設見学のオリエンテーションに出発した。出発前の談笑している女生徒二人に聞いた。「同じ中学から?」「はい」「他の中学からの友達は出来たの?」「うーん、少しだけ」と数ではなくて深さみたいな感じを込めた返答が返って来た。やはりまだ同じ中学からの友人に限られているのだと感じた。私は966人の生徒に昼食時の「おやつ」として「メロンパン」108円を一人一個、出している事を今年から始めたが、これが「すこぶる評判が良い」との事で大きな歓声が上がると言う。コストは総額104328円という安いものだが、これは生徒が校外で「全く同じパンを食する」と言う行為からの大きな効果を期待してのことだが、狙い通りで喜んでいる。これも5月病を避けるささやかな対応である。本格的な勉強や学習は後で良い。今は生徒にとって「自分の選択した学校は間違いでは無かった!」「良い友達ができそう!」「少し大人になった」と新しい環境に早くなじませないといけない。 


同じような事は新任の教職員にも当てはまる。過去色々な風景・状況を見て来た。わずか2日のみ出てきて、3日目から出勤して来ないとか、5月連休後、休みがちになるとか、授業計画にも影響が出て来て「先生探し」に走り回ることは過去一回や二回ではなかった。折角ご縁があり、本校に来て頂いた人々を採用した責任はこちらにもある。その為に我々は新任の教職員には「とにかく温かく、優しくお迎する」ことを柱に据えている。学校によってはパソコンは個人持ちというのもあるらしいが私は全員に最新鋭の機器を貸与し、あらゆる事前研修を行っている。過日行った校外学習施設の見学会もその一環である。給与が支払われる大人の教職員と授業料他を支払う生徒とは根本的に違うが、どちらもこの学校を設置している責任者にとっては「最大の重要な人的資産」であり、4月1日の新任式、4月5日の入学式から5月連休明けまで目が離せないのである。このような仕事は管理者たる者の当たり前の事であるが、案外と世間の人々はご存知ない。 

ここに新しく着任した一人の先生の感想文を転記してみたい。このような先生は5月病には全く関係ないと思う。大きく育って欲しいと思う。

「新任研修の見学会で感じた浪速学院の思いと温かさ」   社会科 〇〇 〇〇 

 43日、新任の常勤教職員対象の校外学習施設の見学があった。初めてこの浪速学院に来校した際、校舎のきれいさ、大きさ、そして学校の敷地内に神社を構えているという規模の大きさに驚きを隠せなかった。教員として出勤し始めた今も、その思いは変わらず、まだまだ自らの足を運んでいない教室や校内施設があることに少しの楽しみを感じている。

 バスに乗り込んだ時には、早く見たいという気持ちで頭がいっぱいだった。勉強合宿の施設に、人工芝で整えられたグラウンド、海外基準のテニスコート、高校とは思えないゴルフ練習設備を見て、改めて規模の大きさに圧倒され、より良い教育を追求するこの浪速学院の思いとすばらしさを見せていただくことができた。しかし、この校外施設見学の中で最も嬉しく、感動したことは別にある。 

 それは、出発前の理事長先生のお言葉である。雨の中、バス内に来てくださり、激励をしていただいた。そのお話の中で、「事務員も校務員も、子ども達から見れば先生である。この浪速学院は温かい。浪速学院の職員全員で子ども達に教育をしていく。」という旨のお言葉があった。私はその言葉を、この学院の設置者である理事長先生が伝えてくださったということが本当にうれしく、身が引き締まる思いだった。

この浪速学院という大きな組織の先頭に立ち、これから巣立つ浪速学院の生徒達、そして巣立っていった卒業生達のことも考えて、率先して変革、改革をしていくその理事長先生から、直接この浪速学院の職員の一人として仕事を任せて頂けたのだ。まだ3日目であるが、この学院の教職員になれて本当によかったと心から思った。私が学生だった頃も理事長先生のお言葉通り、学校にいる職員の方は全員先生であり、信用していた。次は私の番だ。そんな私が、「新任だから」と言っている場合ではない。職員全員で生徒達を見守るこの浪速学院の教員の一人として受け入れてもらったのだから、責任をもって生徒達を温かく見守りたい。そして、この浪速学院で教員として働くことができるということに誇りを持ち、職員室の先輩に師事し、管理職の先生方、そして理事長先生の思いや理念に倣いながら、目の前の生徒達に授業をしていきたい。