2024年4月2日火曜日

願わくば、桜よ、4月5日入学式に満開とせよ!

 今日は高校の「新入生準備登校」の日だった。本校のみの独特な言い方であるが、5日の入学式前に様々な事前指導をしておくためのものである。「鉄は熱い内に打て!」ではないが、入学式やその後の生徒の姿を睨んでまず「浪速高校生になる前の段階」で指導をするのである。校内に入って来た新入生は正門付近で紙を渡され、それによって初めて「自分のクラス」を知る事になり、自分のクラスに急ぐ。クラスで初めて誰が級友になるのか知る。「うろうろ」している生徒に私は声をかけて助力して上げた。まず今日の指導は大切な「姿・形」から入る。大体250以上の中学校から来ており、それぞれの中学で微妙にルールが異なるからそれを統一しておく必要もある。

 

「服装・頭髪検査」が主体であり、髪型や髪染めなどのルールも言っておかねばならないし、「身だしなみセミナー」と銘打ってDVDの視聴で男子はズボンのはき方、女子はスカート丈やお化粧など「生徒生活指導上の内規」に則り指導する。その昔、入学式当日に「茶染め」して登校して来た女生徒とその保護者と教員が門前で少し「押し問答」があったりしたから、我々としては事前に知らしめておく必要がある。その他、神社への参拝の指導、校則の説明、オンラインによる全体説明の後5グループに分けて、校内見学を行い、最後は「個人写真撮影」だ。外部の専門家ではなくて本校の情報企画部が966人の生徒を順次3つのブースで撮っていく。撮影機器はカメラを含め、全て学校で用意している。これらの写真は生徒証や生徒指導上で外部からの問い合わせなどで時に使われることもある。

 

別にこの段階でこれらの入学生が卒業後の進路について心配などは全くしていない。とにかくしっかりと学業や部活動に勤しみ、希望する大学へと進学することが願いである。中には強い願望でプロスポーツの世界に進む生徒も当然いる。過日の3月29日に昨年浪速高校、国学院大学から読売巨人軍に「ドラフト3位でプロ野球選手になった田中千晴選手」から契約金の一部を母校にとご懇篤な寄付があった。本当に嬉しい限りで私はこの寄付金を全額硬式野球部に渡した。野球部は打撃練習時の防御ネットを購入し「田中選手の名前の入ったプレート」をそれに付けたと言う。 



その式典では私は田中選手から送られた今年の宮崎キャンプでサイン入りの野球帽をプレゼントされそれを被ってふくろうスタジアムに行った。田中君は在学中から学業も野球への取り組み姿勢も素晴らしかった。3年目となる今年は巨人の阿部監督の元、大活躍を期待している。身長のある大型ピッチャーで大きく落ちるフォークボールが武器である。野球部の後輩たちに私は彼のエピソードなどを話し、激励した。決してプロ野球を目指せなどと言わないが野球と言う素晴らしいスポーツを通じ、人間的に大きく成長してくれることで満足している。今年も966人の中から既に30人以上が硬式野球部に入部すると聞いている。

私はまさにフレッシュな新入生を見ながら満ち足りた気持ちになる。まだまだ「幼い」感じがするのが良い。似合った制服とカバン、それに「ピカピカ」の靴が目に眩しいくらいである。明後日の「5日は入学式」である。高校966人、中学141人の合計1107人と言う極めて大きな入学式になる。私の執務室前の小庭の桜は本日満開となった。神社前の桜はまだ一分咲で、この分だと5日に満開となるかも知れない。1107人の新入生の為に、「願わくば、桜よ、5日の入学式に満開とせよ!」と私は声をかけた。