今日から高校2年生が修学旅行に6方面に分かれて順次出発だ。校長や副校長も帯同するから浪速高校は私とD教頭で守っていくことになる。朝方、D教頭が部屋に来て「力強い心意気」を示してくれて、頼もしかった。この頼もしいという感覚は重要であり、「組織にとって管理職や上司が頼もしい」と言うのは素晴らしいことである。学校には中学を除いてもう一人の教頭先生が居るが、その人は入試広報部を統括しているK教頭だ。教諭時代から知っているが教頭補佐、教頭と昇格し、今日の要職を務めてくれているが、彼もまた頼もしく育ってきた。「豪や剛の頼もしさ」ではなくて「柔よく、剛を制す」の方の頼もしさかも知れない。中学校教諭から出発しているので特に中学には強い情報網を有している。写真は10月23日の上棟祭のもので今総勢405人の中学生による「曳綱の儀式」の様子であるが、何とか生徒数を増やして欲しい。
K教頭は最近では最も私の部屋に出入りする管理職である。背景には高校、中学の来年度入試の状況がある。高校入試は「まぁ、安心してみておられる」状況だが、中学入試は厳しい予測の付かない」状況であり、私たち二人は毎日、毎日16日の「第二回プレテスト」の参加希望者の数値を見ながら最新の状況を考察し最終予測と対策を議論し、新たな手を検討する。今朝の段階ではここ最近で新記録となる数の多さの参加希望者であるが、中学入試はこの数値が直接入学者数値にならないところが、難しいのである。その理由は府内60校の私立中学が約7000人程度の小学校6年生の争奪戦だからである。大阪はまだ東京などに比べ、「私立中学ブームとはなっていない」のが背景にある。
然らば「高校の状況はどうか?」という命題だが格好の情報がここに在る。昨日、府の教育委員会は令和6年入試(2025年度入試)の全日制などの募集人員を発表した。142校で36525人、対前年1530人のマイナスだった。これを見るだけでも「少子化の進展」が容易に分かる。一方府内の公立中学校の卒業予定者は前年より1100人以上減って65710人とあった。このうち、校長会の調査だと思うが府内の高校への進学希望者は58350人とあった。これに私立の募集人員は25927人だから公立と合わせると62452人の大枠となり、進学予定者を上回る。すなわち「募集定員が希望者を上回っている」状況にある。間違いなく募集人員に届かない学校が公立、私立とも来年度も多く出ることがこの発表だけでも容易に分かる。
この記事で同時に府教委は府立の大正白稜高校と堺の福泉高校を26年度から募集停止するとも発表した。出生率から統計的に容易に出てくる少子化であるがここ数年は「階段の踊場」であったが、また少子化が進展する構図になった。来年も府内の中学校を卒業してくる生徒は減少するだろう。「私立も公立もまさに厳しい冬の時節が到来」した。加えて前述したように私立中学も安閑としてはおられない。浪速中学校、浪速高等学校を有する本学院はますます魅力的な学校作りに邁進する事が問われている。如何に生徒個人を輝かし、未来への展望を明るくするような教育活動をいかに展開するかである。高校も中学も公立私立入り乱れて生徒獲得時代が本格的に到来しており、「待ったなし」で学校、大学「淘汰の時代」がやって来た。私は先頭に立って「この学校の為に命を燃やして頑張る」所存だ。