「朋有り遠方より来たる、亦楽しからずや」、私が良く使うフレーズだ。要は木村という男は「人好き」なのである。とにかく人と会っていると楽しい。だから人とは良く会う。例え短い時間でも時間を割いて人に会う。まして遠方からの来客となれば格別である。この言葉は出典が「論語」からで、解釈は読んで字のごとく、同じ学問に志す友人が遠くからわざわざ訪ねて来てくれるのは、なんとも楽しいことである。学問について志を同じくする仲間がいる喜びを述べた言葉である。論語は孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録で、儒家の中心的経典である。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれているが、日本文化はこの論語の影響を大きく受けていると思う。朋は大切にしなければならない。
今日はフィリピンから友人が来校された。まさに遠方である。同国の日本大学ともいわれているような最も大きな規模の総合大学である「パーペチュアルヘルプ大学(UPH)」の財団理事であるMr.リチャード・モラン先生と同大学の日本代表の方々である。彼は財団理事長の近いご親戚であり、今までも何回も本校を訪問してくれている。昨年の開校100周年記念式典でもわざわざ来日して頂き、トップと二人の参列で花を添えて頂いた。今思い出しても楽しい一時だった。モランさんの甥っ子のDr.タマヨさんが大学トップの理事長・学長で私とは極めて懇意にして頂いている仲だ。
私は執務室で一行をお迎えし、しばしの懇談を楽しんだ。お土産は沖縄の万座ビーチの海の底で熟成させた琉球泡盛「万座」とした。午後にはお帰りなので昼食は私がこの日の為にプロデュースしたクイックランチのサンドイッチである。所用で同席しなかったが果たしてお口に合ったかどうか。このように遠方からの朋には受け入れる側の「おもてなしの配慮」が必要であり、これが「国際マナー」である。このことが「また楽しからずや」と言ってゲストよりもホスト側の喜びに繋がるのである。茶道で言うところの「亭主七分に客三分」といったところかも知れない。