2024年11月9日土曜日

先客日萬來、招き猫

 「千客万来」、多くの客が絶え間なくやって来ることで、同じような意味で「門前市を成す」というのもある。あと1か月もすれば、年末年始となるが、お店や会社などで稼ぎ時の繁忙期にひっきりなしに客が訪れ、めまぐるしい様子を指して使われる言葉だ。縁起のいい言葉なので、熊手や絵、のぼり・ステッカーなどに書かれた品物も多い。同じく縁起物として知られる「招き猫」と一緒に描かれたグッズなども多く販売されているが、まさか私立学校にこれらの品物を置くわけにはいかない。しかし全国の私立高校にとって、今は「千客万来」を願いながら生徒募集に東奔西走している時だから、良く似ている光景かも知れない。門前市をなす位に受験生が正門を潜って欲しいのである。 

 同時に「枯れ木も山の賑わい」という言葉もある。これは「つまらないものでもないよりはまし」という意味だが、人に対して使うのが一般的で、人数が少ないよりはどのような人でも数の足しになる方がましという意味で使われる。近年は人だけでなく、物事に対しても使われているが、また、誤用が多いことわざの一つでもある。人が集まれば賑やかになるという意味だと思っている人が多いようだが、これは間違った使い方だ。文化庁が2014年に行った「国語に関する世論調査」によると、約47%の人が意味を勘違いしていたという結果が出ている。しかし学校の受験生募集では枯れ木も山の賑わいで私は良いと思っている。少子化の中で募集する側の学校が「あの程度なら要らない」などと嘯くのは間違っていないか?当方は教育機関だ、まして当方は私立高校だ。選んで呉れただけで有難いと思わないといけない。

今日は「第2回高校入試説明会の日」であった。「先客萬來」を当然期待している。昨年度が申込者数が600人で最終的参加者が547人、今年は今朝現在の申込者数が738人であった。昨年の欠席率は4.2%だったがこれは異常に低い数値だったから今年の欠席率は少し平年に戻っている。それでも昨年の実参加者数に比べ、今年は大幅に伸びていた。果たしてこれから何名の受験生が「2月10日の入学試験日」に本校に来てくれるだろうか。入試説明会として次の第3回目は12月7日(土)で、臨時で12月14日に第4回目を入れた。これは病気や他校との比較の出来ていない受験生の為に入れたものだ。受験生は時間を割いて是非多くの私立高校を自分の目で確認して受験先を決めて欲しいと思う。人生最初の大きな分岐点が高校選択であるから、自分に合った学校を選ぶべし。 





このようにして「入学して3年経つと今度は大学受験生」になる。時の経つのは実に早い。今朝は国公立大学を目指している高校3年生の一部生徒たちが千早赤阪村の本校所有の校外学習施設である「多聞尚学館」に学習合宿として出発した。今回は日本史、世界史、理科の生物、物理、化学の5科目の徹底した受験指導である。本校の誇る卓越した優秀な教諭が生徒と起居を共にしながら一泊で学習合宿をする。本校はこのように「徹底して生徒の面倒を見る学校」なのである。私は何時ものように生徒を激励し手を振りながら「自分の努力で自分の人生を切り開け」「努力あるのみ」とバスを見送るのである。