「年年歳歳花相似」(ねんねんさいさいはなあいにたり)歳歳年年人同じからず」は劉廷芝の「代悲白頭翁」に出てくる言葉で私は好んでこの言葉を良く使う。
毎年毎年花は同じように同じ所に咲くという意味で、人の世が変化するのに対して、自然が変化しないことのたとえである。又これに続いて歳歳年々、毎年毎年、人同じからずは人は移って行ったり、この世を去って行くため、顔ぶれが異なる。去年見た顔は今年はもう見ないと、人の世は無常であると言っているのである。
昨日の16時から始まった吹奏楽部の第10回定期演奏会は大盛況であった。多くの方々が会場に来てくれて幕間かこれを見た生徒が「ワー、一杯だ。」と叫んだと今朝ほど顧問の先生から聞いた。とにかく「素晴らしかった」の一言であり、私は正直久しぶりに感動しし目頭が熱くなった。特に「吹奏楽部10年の歩み」は私を泣かせた。紙70枚の映像のトップは例の言葉であった。
「新入生の皆さん、吹奏楽部に入部してくれたら新品の楽器をプレゼントします。木村理事長のこのお言葉から全てはじまりました。」と紙一枚に大きく出たのであった。私はこの映像から如実に10年前を思い出した。生徒数も少なく、女生徒も増えない中で吹奏楽部を「学校改革の進軍ラッパ」と位置づけて、楽器の購入、専用の練習場所等、経営資源を惜しみなく投入した。しかし環境や楽器だけではここまでにはならない。
このクラブ程指導者の熱意と技量が物を言う倶楽部は無いだろう。歴代の顧問の先生のお蔭である。現中高の副校長であるN先生が初代で二代目のU先生は寿退職され今子育て中だ。そして三代目が現主顧問のN先生で三代10年でここまで来た。良くぞここまで来たものと感慨にふける。しかし歳歳年々人同じからずとは良く言ったものでこの素晴らしい卓越した指導力を有し、全国大会に駒を進めるまで育ててくれたN先生も寿退職である。
最後に全員から「先生、御結婚おめでとうございます」と掛け声と感謝の花束、言葉を聞いた先生も大粒の涙を流されていた。誤解を招きそうだがこの先生を見るたびに、話す度に男勝り、男っぽい面を感じていた。「さっぱり」「凛」「筋」「かっちり」「仕事が早い、すばやい」と男子生徒だろうが、女子生徒だろうが「生徒生活指導」が出来るのである。何時かは「生徒生活指導部長」をやらせてみたいと思っていたくらいである。しかし昨日の舞台での先生の笑顔を最高であった。
平成が終わり新しい御世になる。次の主顧問は男性の国語の教諭で大いに期待したい。男性、女性、女性と続き、今度は男性顧問のタクトだ。果たしてどのようになるのか。興味深い。N先生、ありがとうございました。心から感謝致しております。今朝ほど私は特別にご結婚祝いを差し上げると申し上げた。21日の札幌でのクラリネット4重奏の全国大会で出張が最後の公務になりすぐ埼玉県に嫁がれる。2月12日にもこのアラウンドでN先生の事に触れたがやはり今日も書いた。余程この先生がお気に入りだったのであろうか。