2019年3月11日月曜日

「あれから8年」


「あれから8年」。月日の経つのは本当に早いと言われるが今日の私は「あれからまだ8年?」という感じもある。もっと昔の事だったような気がするのだ。あの時は翌日に「浪速武道館の竣工」を控えてその準備に「おおわらわ」だった。「大わらわ」でも良い。夢中になって暴れまわる様子などを意味し、古典作品に良く見られる表現である。何時もは束ねている髪を振り乱し、稚児のようになって合戦で暴れる様子に由来する表現だと言う。確かに私もまだ今よりは幾分若く最初の大きな教育環境の整備となった浪速武道館の新設という大事業に髪を振り乱していたと思う。

 

お茶室「洗心亭」の床の間の前に据わり、茶道部顧問の先生や生徒と共に掛け軸を取り付けた時だった。お軸が急に「ふらふら」と左右に揺れて、「これ、何?」と言った記憶が今でも鮮明だ。地震だろうとは思ったが、その酷さを知ったのは自宅に帰りニュースで津波が押し寄せ家や車が流されているのを見た時だった。その後福島原発の大事故なども知り、深く、深く、地震の国に住むことの怖さと電力問題を改めて考えることとなった。

 

あの時刻である14時46分、全教職員、在校中の全生徒、外部の方々、全員で総務部長の合図により、1分間の「黙祷」を捧げ、弔意を表した。中央館屋上と正門には早朝から国旗を「半旗」で掲げている。私は一人学院神社に代表参拝して亡くなられた方々の慰霊と家屋流失など大きく被災された人々に思いを寄せた。しかし考えてみればこの8年間で武道館、クラブハウス棟、校庭の人工芝生化、東館校舎、中央館校舎、西館校舎と次々と教育環境を根底から変えて行った8年でもあった。

 

申し訳ない気がするが、本校は特段大きな問題に直面することも無く今日まで来られた幸せを思わざるを得ない。我が国は大事故、大事件に見舞われた平成30年の御世であったが学校法人浪速学院は特に平成最後の10年間は素晴らしい時だったと言える。ご神恩、ご神慮、ご神威に頭を垂れ、謙虚に慎ましく平成の御世の総括と新時代への覚悟を今日の年度最後の「校務運営委員会」で主だった幹部教員に申し上げた。


先週土曜日は新中学1年生で、今日は新高校1年生の専願入学者が登校してきた。彼らは平成31年4月4日入学生となるが、一か月後の5月1日からは新元号元年入学生となる。彼らと共に浪速高等学校、中学校は新しい歴史を刻むこととなる。とにかく「前に進む」しかない。「トンボ」である。ただ進むだけではなく、頭を使いながら前に進むのである。学院神社にお参りしながら私は心の中で「賢いトンボになる」ことを改めて強く誓ったのである。