17日の吹奏楽部の第10回目となる定期演奏会で素晴らしい演奏があった。幕が開いて最初の演目で、その名も「海道東征浪速・・第4章」である。プログラムに書いているママにここに転記する。
“交声曲「海道東征は作曲家信時潔、詩人北原白秋による交声曲(カンタータ)です。1940年に皇紀2600年を奉祝して作曲されました。又この曲は木村理事長・学院長のご指示によりご遺族から吹奏楽編曲の許可を戴き、平成27年度より浪速学院の学院曲として様々な学校行事にて演奏させていただいております。本日演奏いたします第四章「御船謡」は昨年11月に完成し、吹奏楽版としては本日が初演になります。
「その1」「その2」「その3」の三部から成り立っており、民謡調が取り入れられています。第四章は船の上での情景であり、ピアノソロの伴奏に乗せてユーフォニアムとテナーサックスから「その1」がはじまります。続いて海の美しさ、穏やかさを表現する「その2」から次第に新たな楽器が加わり、船乗りたちの景気の良い船歌「その3」へと続きます。”
素晴らしかった。感動しました。この海道東征プロジェクトにも深い思い出があります。全八楽章を最初に1.2.6.7.8を選択して編曲して貰いました。続いて第三章「御船出」で、今年が第四章「御船謡」と言う順番です。遂に残りが第五楽章が「
速吸と菟狭
(はやすいとうさ)」だけとなりました。これは新元号の元年中に完成して貰うようになっています。既に足かけ5年の一大プロジェクトになっています。編曲をお願いしたのは本校吹奏楽部の総合指導者で大阪音大卒のトロンボーン奏者の萬浪弘数先生です。この世界では大変有名な作曲、編曲、プロの奏者、中高生の指導等、幅広くご活躍の先生で超多忙中の合間を縫って編曲して頂きました。
全ての楽章が素晴らしいのですが特に今回聴いた四楽章も又心を動かされました。私は「浪速丸に乗った全教職員と全校生徒」がまさに心を一つにし、前を向いて歌を歌っている情景を想像致しました。古事記や日本書紀の神話を元に、初代天皇となられた神武天皇がまだカムヤマトイワレヒコノミコトと呼ばれていた頃、筑紫の日向(美々津)を出発し、宇佐、岡田、吉備、浪速、白肩(枚方)と、大和を目指して東征する物語が壮大に描かれており、演奏時間五十分に及ぶ全八章からなる大曲が今年中にすべて完成します。
このような素晴らしい曲を作曲し、編曲して戴いた故信時潔先生と萬浪先生に心から感謝の誠を捧げたいと思います。東京の神社本庁や大坂神社庁からも高く評価され、今や演奏会の引きも多く成って来ました。昨年8月の今上天皇、御即位30年をお祝いする府民の集いでも演奏の機会を戴き会場の600名の方々から感動したとのお声を多く頂きました。「校歌」とは又違った「学院曲」としてその名を永久に残す名曲だと思います。私は没してもこの曲を学校法人浪速学院の学院曲として残すことが出来て幸せです。