2020年11月6日金曜日

高校1年生の「お伊勢参り」

今朝の新聞記事で注目するのはこれだ。最近では「デジタル版」のみの記事があり、留意していなければ見逃す。私には紙に書いた新聞紙の記事は手っ取り早い。その記事とは毎日が報じている秋篠宮さまが皇位継承順位1位の皇嗣となられたことを国内外に示す「立皇嗣の礼」の実施を「伊勢神宮と神武天皇陵、昭和天皇陵」に事前に報告するため、天皇陛下が昨日の5日午前に使者を派遣する「勅使発遣の儀」が皇居・宮殿「竹の間」で行われたことだ。宮内庁によると、陛下は白の装束姿で竹の間に入り、小田野展丈侍従長を通じて使者に、伊勢神宮などに立皇嗣の礼の実施を報告するための文書を渡した。この文書を「御祭文(ごさいもん)」という。立皇嗣の礼関連の最初の儀式であるが、ポイントは「伊勢神宮への勅使」である。ご皇室は何か重要な事があれば必ず伊勢神宮に最初に奉告される。これくらい皇室と神宮は近く「皇祖神」なのである。


江戸時代、人々が「一生に一度は参拝したいと願った伊勢神宮」、江戸時代の日本の平均人口は3000万人だったと言われているが、「お伊勢参り」ブームの最盛期には年間500万人、実に6人に1人が伊勢に参拝したという記録が残っている。ここ平成から令和、ここ数年は年間800万人から1000万人が参拝しているから、「昔も今も伊勢神宮は日本人の心のふるさと」、「パワースポット」なのである。「お伊勢さん」「大神宮さん」と親しく呼ばれる伊勢神宮は、正式には「神宮」で良く、日本で神宮と言えば伊勢神宮の事である。皇大神宮と言われる「内宮」は皇室の御祖先であり、太陽にもたとえられる「天照大御神」、「外宮」は天照大御神さまのお食事を司り、産業の守り神である「豊受大御神」がご祭神である。内宮は約2000年、外宮は約1500年の歴史があり、今に繋がっている。

 今日は高校1年生第2班が校長以下教員10人、生徒166人、総勢176人が8時20分「東征門」を出てバス8台で出発した。通常なら一台50人は乗れるバスだが密を避ける為に22人程度としてバスを用意した。昨日の1班の報告によれば神宮は「ゴー・トゥー」キャンペーンの効果か参拝客と修学旅行生で溢れかえっていたそうだ。生徒達に渡したコロナ対策の手指消毒液が効果をもたらすことを期待したい。生徒たちは外宮、猿田彦神社、そして神宮会館でお弁当を食し、最後に内宮に参拝する。1班で行った「荒祭りの宮」などの別宮の参拝は密を避ける為にカットしたいと言うので了承した。

 

本校と神宮とは「伊勢修養学舎」で67年の長きにわたって極めて近い関係が続いている。そのご縁から私は伊勢神宮崇敬会の評議員に列せられているが、着任以来14年間毎年付きっ切りで修養学舎には帯同した。しかし今年からは新高校校長の誕生もあったので生徒引率総責任者の職は離れ見守ることにしたが、やはり1年に一回は参拝したいと思い、来週の4班には帯同したいと思う。コロナ禍の中で二泊三日の修養学舎は日帰りの「伊勢参り」の形となったが、精神は全く同じで神社神道の学校として全国の神社の頂点に列せられている神宮へお参りすることは本校が存続する限り絶やしてはならない。この行事が無くなるということは本校が無くなるということだ。本校最重要な学校行事であり、これは本校教育の根幹である。