2022年6月25日土曜日

ICT教育の更なる発展へ

私はここ3年ばかり「ICTICT・・・」と言っている。叫んでいると言っても良いくらいだ。それくらい今はあらゆる面で「ICT教育の威力」を感じており、学校を変える、それは社会を変えるくらいの大きなテーマだと本気で思っている。公立から私立と教育現場に身を移して約20年、激動の時代、まさに大変化の教育現場を見て来ただけにこの「ICTが学校を変える」と信じて疑わない。特に私立学校はICTに先鞭をつけたものが生き残っていくと思う。そういうと識者の中には「学校には黒板があり、教師は生徒の目を見ながら分かり易く板書して教えることが・・云々」と宣う人が時に存在するが、そのような人は最早「化石に近い」人々で完全無視で良い。そのような堂々とテレビで意見を述べる評論家の類には腹が立つが、世の中には様々な人がいるから仕方が無い。昨日になるがICT教育の公開授業を行い、その後東京の六本木ヒルズに本社を有する「グーグル」より管理職をお招きし、「最新のICT教育」でお話をして頂いた。

ICT教育とは、教育現場にてPCや電子黒板、インターネット、動画などの"情報通信技術を活用した取り組み」のことを言い、英語の方が分かり易い。 ICTとは「Information and Communication Technology」の略称で、直訳すると「情報通信技術」の事だ。「タブレット端末」に表示されるデジタル教科書を活用しての学習、教室にある「プロジェクターを使用して大型画面に図表を拡大投影する手法」「インターネットを使用しての調べ学習」、又英語教育ではタブレット端末を用いた「音声朗読機能」により、英語の正しい発音や国語の朗読を聞くことが出来るなど、一昔前では想像できなかったような教育活動が、ICTを活用することで一気に実現できるようになってきている。 


背景には文部科学省が進める「GIGAスクール構想」があり、学校や教育現場において児童・生徒のために、11台タブレット端末の普及と、高速大容量の通信ネットワークといったICT環境整備の実現に向けた、確か2019年から5年間の計画のことを言うのだが、これまでのような今教室での「一斉教育」のみならず、11人に最適化された創造性を育成する教育もやり様では可能である。このような大きなテーマだと大体3周くらい遅れて制度化する政府がこのプロジェクトでは逆に都道府県や教育現場を扇動している感じでこの点が面白い。それは「新型コロナウイルスの影響」が後押ししたからだと思う。2020年から急速に感染拡大した新型コロナウイルスの影響で全国の学校が一斉休校となり、非常時の対応として「オンライン教育」や「 ICT等を活用した自宅学習」が取り入れられるようになった。コロナの時代に本校は入学者数が増えたが、これは「本校のICT教育の先進性」が評価されたものだと私は考えている。

 教育現場のもう一つの大きなテーマは「教員の負担軽減」である。教職員の業務における多忙化が問題視されているが、今後 ICT活用を積極的に取り入れていくことで、業務効率化も進むだろう。本校ではこの点でも先進的である。デジタル採点なども大きく進展している。今まで多くの事を管理者としてやってきた。全館に高速Lanを敷設し、全教職員に最新鋭のパソコンを貸与し、必要とするアプリケーションを入れ、グーグルの認定試験の費用負担を行い、ICT教育推進部、情報企画部を作り、そこにIT会社から教員でない専門人材を採用するなど「良かれ」と思うものは全てやって来た積りだ。


しかし幾ら理事長が頑張っても、それらを使うのは教員であり、「ICTに強い教員集団」こそが今後の私立の盛衰を決める得ると思う。だから本校はICT教育推進部が主体になり、研修会を定期的に企画してくれている。昨日、その研修会があり、「9人の教員がICTの公開授業」を行い、グーグルからの講演や、その後「科会」を行って意思結集をして貰った。今後本校が採用する教職員はまずICT能力が選考の大きな基準となるし、教員の能力評価にも影響を与えるだろう。ICT教育には「生徒の考える力」に影響を与えるリスクもあるが、その前にまず「ICTの達人」になって欲しいと思う。大体そのような事を宣う人はICTに強くない。強い人間こそ、ICTを包含した「浪速型ハイブリッドICT]が可能になるのだ。それにしても昨日のICT研修会は大変良かった。私は公開授業を行った教員を高く評価したいと思う。