2022年9月26日月曜日

映画「樺太1945年夏 氷雪の門」

 連休前になるが女子生徒3名が南海高野線横の道路で倒れていたご年配の女性を見つけ救急車の手配などを敏速に行い「救命の善行」を行った。素晴らしいことで久し振りのかかる生徒の善行報告で私は大変に喜んだ。最も嬉しいニュースである。そしてお彼岸を挟んだ連休も終わって今日から通常の授業が始まった。丁度この時期は秋の「クラブの公式戦」が活発で何時も朝から先生方が報告に来てくれる。「軟式野球部」は勝って3回戦に進んだ。次は準決勝戦である。「空手道部」は第56回大阪府空手道大会で高校、中学共に圧勝した。文句無しである。「体操部」は凄いことになった。男女ともにアベック優勝である。初めての快挙である。「弓道部」は女子団体が優勝で男子は準優勝、女子個人でも優勝は浪速から出た。特筆すべきは「アメリカンフットボール部」で何とあの強豪校の関西大倉を13対10で破ったと言う。これも快挙である。最初は信じられなかったくらいだ。 

こういう時は全てが上手く回転している証明である。顧問の先生方が一生懸命に生徒を指導し鼓舞してくれているからこのような結果に繋がる。私はルールも詳しくは無いがとにかく豪華絢爛、機能満載の「練習場の確保」が仕事であるのと良い結果を出したクラブにはそれなりの激励金などを用意するのが仕事の一つだ。要は理事長として「一回り大きな視点」で教職員と生徒を見詰め、「新しい企画」を考え生徒と先生方を応援するのである。今私の頭にあるのは「戦争を知らない生徒達」に何か具体的な教材がないかと思って探していた。背景には戦後77年経ち、敗戦と言う苦しみや苦難を保護者も生徒も全く知らない世代への危機感があるのと、現実にロシアのウクライナへの侵略行為で世界が大混乱の中にあるという現実もある。

 

新聞記事は目を皿にして通しているが、効果も時にあるもので「樺太1945年夏 氷雪の門」という映画がある事を知った。これは1974年公開の日本映画で、1945年(昭和20年)815日の昭和天皇の玉音放送後も継続された、ソ連軍の樺太侵攻がもたらした、「真岡郵便電信局の女性電話交換手9人の最期(真岡郵便電信局事件)」を描いている。私はこの記事に接し直ぐに事務長補佐のHさんに指示し、過日最新版「DVD」を入手し、今日時間を見つけてじっくりと鑑賞した。この映画には後日談があって猛烈なソ連からのクレームがあって上映機会が無くなった「幻の名画」と言われている。日本向けのモスクワ放送が、「ソ連国民とソ連軍を中傷し、ソ連に対して非友好的」という論評を流し、タス通信も「ソ連国民とソ連軍を中傷する反ソ映画」と論評した歴史的経緯がある。 



2時間余りのこの映画は「胸が重くなる」感情以上の物を私に与えたほどの内容で名優たちの素晴らしい演技で「戦争のむごたらしさ」「人間の尊厳」などを余すことなく描き切っていた。中味を詳しくは書けないが是非この映画を「反戦平和を願う」生徒達の為に鑑賞させ、語り継がせるようにしてやりたいと考えるようになった。受験を控えた高校3年生は対象とせず、高校1年と2年だけで本校の体育館で3学期の最後頃に行うのはどうだろうか?教員の思いもあるだろう。制作会社への支払い条件などもあろう。先ほど高校の教頭と総務部長を呼び、実現の為に具体的検討に入って貰うことにした。