2022年11月15日火曜日

多聞茶寮でのお茶会

 昨日の学校は「生徒家庭学習日」の日であった。月度一回、この日を設け生徒達には自由に自分の弱点克服や自分のペースで自宅学習をするべく午前中のみ自宅での学習を強制している。教職員は通常通りの出勤日であり、午後はクラブ活動も許可している本校独自の形である。私はこの日を狙って予てより懸案であった多聞茶寮での「お茶会」を催した。それは武道館のお茶室「洗心亭」が竣功して以来本校茶道部の指導にお越し頂いた故玉永先生の7回忌に当たり追善供養のお茶会と、堺市にある茶道具店の小森商店さんのお茶人小髙先生への感謝の茶会でもあった。生徒の使うお道具など全てを調達して下さり多聞茶寮のお茶室「久庵」の設計にも随分とお世話になった小髙先生以下、ご招待した数を11人と絞り、まず私から「井戸茶碗の魅力と謎」について語り、実際に「ろくろ」を回して造形し、井戸茶碗の難しさを説明したのだが、粘土の塊がするすると伸び、茶碗の形になっていく様に大変な興味を惹かれたみたいだった。 


その後お茶人達は多聞のイチゴ園、果樹園、農園を見て回り、「多聞楽舎」を熱心に見学され、お茶室に入られた。掛け軸は「喫茶去」で、美味しい「お薄」抹茶を味わった。川のせせらぎを聞きながら対岸の紅葉した樹木を愛でながら大変に優雅なひと時であった。その後学校の天空レストラン謹製の箱弁当で中食を取って「わいわいがやがや」と懇談したのである。常務理事以下7人の教職員が応援に駆けつけてくれ、「おもてなしの精神」を十二分に発揮してくれた。「これで良し!」。来年の4月30日の創立100周年に向かって今後この種の「催し物」が続く。学校と言うのは大体「して貰う側」に慣れているというか、「する側」の経験は殆どない。私は全く逆の発想であり、私立ゆえに私立らしい外部への感謝への気持ちを表す機会を今後とも大切にしていきたいと思う。 



高校2年生の修学旅行の一つであったフィリピンの総合大学、パーペチュアルヘルプ大学での「語学研修」を終えた生徒15人と付き添い教員2人が2週間ぶりに帰国し、報告に来てくれた。これで今年の修学旅行は大過なく全て終わった。私は報告を受けながらふいと思った。修学旅行はある種「物見遊山」的でも構わないが中には「英語を上手くなりたい」と思うはっきりとした目的意識を有した生徒達には海外の大学に預けて半分は語学の勉強、半分はアクティビティでその国の文化の勉強というのも悪くないと考えた。二人の教員が口を揃えてこの大学の受け入れ準備の完璧さに驚嘆していた。生徒も大満足であったと言う。初めて日本から高校生を受け入れたとの事だが、このように海外の人間を温かく迎えてくれるのはパーペチュアルヘルプ大学の正真正銘の幅の広さを示している。 


その後産経新聞のY記者が来年度のカレンダーを持って来てくれた。ネットワークの広さと言ったら素晴らしい持ち主であり今日も良いニュースを聞いた。来年の2月に樫原神宮で神武天皇の足跡である「海道東征」が「新作能」になり、初能が挙行されるという。私はこの話を聞いた瞬間、これには是非本校も一枚加わらないといけないと思った。創立100周年事業の一環としてこのプロジェクトに加わるのは高校の吹奏楽版「海道東征浪速」を有する本校にとってもこの話は大切である。良い人との付き合いは良い話が入ってくるものだ。