2022年11月21日月曜日

100周年記念事業「祈願の碑」

 創立100周年を迎えた、或いは今後近い内に迎える学校は大阪府のように私立高校と公立高校合計で300校を超える大都市圏では結構多いのは自然な事である。100年を迎える学校とは明治時代、大正時代に創立された学校であり、国造りの根幹として設置された学校であり、「伝統校」と言われる。例えばこの週末の26日は「四天王寺学園」さんが創立100年を迎えられ記念式典と祝賀会がホテルニューオオタニで行われる。ご案内を頂いているので私も参列させて頂く。大正11年だから本校の1年前である。 

これらの長い歴史を有する私立高校が「廃校になった」などの話は聞いたことは無い。府内の私立学校はその大半が伝統校と言われるもので、規模の縮小は有っても潰れたと言う話も聞かない。従って私立高校は100周年を積極的に祝い、次の100年を目指す気概を内外に示す。これが創立100周年記念式典と祝賀会である。公立では「統廃合」という言葉で徐々に学校数を減じているが、その対象は大体創立後50年後と比較的新しい学校が「募集停止に入る」という感じではないか。府内には公立高校で100年を超えた学校は多く存在するが私立程式典や祝賀会は持たない。せいぜい同窓会が主体となる規模である。ここに私立と公立の根本的な違いがある。建学の精神を有する私立学校は存外「しぶとく」簡単には潰れない。

 しかし今後の少子化の進展の中で生徒が集まらなくなる私立は募集停止にならざるを得ない。それを避ける為に今の私立学校に勤務している我々は頑張っている。私立にとって最も重要なことは「公立とは異なる教育への視点」と「教育環境の充実さ」だと私は思ってやってきた。「手厚く、誠実に、柔軟に」である。あくまで教育の中味が大切であるが「学校としての発信」も極めて今後は重要になる。「対公立、対他の私立」との競合の中で一定の生徒が集まればその学校は生き残っていける。学校の塀の中で据わっていても受験生や保護者は目を向けてくれない。「超進学校としての地位を確立した私立高校」になったら発信などをしなくて生徒は集まってくるが、大半の私立は「本校はこういう学校です!」とPRにお金と時間をかけているのが実情である。 

今日の校務運営委員会で私は先週土曜日に行われた中学校の第二回プレテスト参加者の分析結果の一部を説明し、今後の「発信のポイント」について言及した。特に私立中学受験では保護者の意向が大きく左右される。今の浪速流はここ15年の年月で確立されてきた手法であり心である。学校のガチな宣伝ではなくて「空気伝染みたいなPR」が「誠実な浪速」を評価して頂いている。今後ともこの路線だけは失ってはいけないと強調した。「保護者は我が子可愛さの一念」であり、そのお気持ちは尊重しながら「合否判定」につなげていかねばならない。本校はガチな超進学校は目指していない。「ウイングの広いグッド・スクール」である。 



創立100周年事業として神社前の御垣外に設置する「祈願の碑」の場所や碑の高さなどイメージについて模型を使いながら現地で調整した。実際にやってみると頭で考えていたこことが違うことに気づく。あれこれ現地で議論し、再度模型を作ってやり直すことにした。