昨日の10時、重要な来客があった。中央館6階の焼き立てパンコーナーの「浪速ベーカリー・ブル」とコラボしてくれている「伊三郎パン」のT社長さんが来られ、京都に本社を置く有力な全国レベルのパンメーカーに経営権を譲渡した経緯の説明に来てくれたものだった。お話を良く聞いて我々は納得し、今後新しい会社との関係スタートを切る。要は今の形態を尊重して貰い、学校内に焼き立てパンコーナーを持ち、今後とも学校生徒とご関係の皆様に「ブルのパン」が手渡せるように体制を維持して頂くことが望みだと申し上げた。お世話になった社長さんだっただけに寂しい気もしたが、これは個人の感情であり、重要な事は新しい経営者と早急に話し合う機会を持ち我々の考えを伝える事である。ウクライナとロシアの戦争は世界的な小麦粉の価格と供給不安を起こし、本校みたいなところにも影響が出て来た。
今日は11時から文化庁の主催事業である「子どもの為の文化芸術鑑賞会」があった。音楽科主任のW先生の尽力で昨年に続いて本校が選ばれ「能楽協会の役者」さん方が大勢来校され体育館で中学1年生を対象に2部制で公演を行って頂いた。まず狂言「附子(ぶす)」が演じられた、有名な狂言で教育的にも良い演目である。能と狂言の説明から始まり、実際に演じられ、2部は本格的な能で「敦盛」の一部が上演された。初めて見る能や狂言に生徒達は食い入るように見やっていたと思う。このような「粋な国の計らい」に感謝致したいと思う。それにしてもこのような舞台には準備が必要で結構時間と手間暇がかかるが、本校の教職員は見事にそれをやってのける。そこが素晴らしいと思う。この点は称賛したいと思う。
今日は2限目と5限目に公開授業があった。いずれも中学校勤務の常勤講師の男性の先生でまず社会科、そして午後は数学の授業であった。二人ともまだ20代後半から30代前半の若々しさがあって本校採用後3年目の勝負の年である。現場からの前評判は良かったが、彼らがどのような授業をするのか参観して評価を下すのが私の仕事である。今日だけ見繕った授業などしても「眼光紙背に達する」ではないが私にはお見通しである。19年間も先生方の授業を観て来たからだ。参観後部屋に呼んで所管を述べるが、授業そのものよりも大切な事は生き方、考え方である。それにしても今日も参観した公開授業の二人はICTを駆使するなど素晴らしいものを有していた。生徒に何としても分からせようと自分で教材を作って配信している。一人はサウンドも流し、リズミカルな50分の映画を見るような授業であった。だからこのクラスの生徒は教師と一体となって充実した空気が充満していた。現在到達できる最高のICT教育を観た感じで、私は素直に感心した。静岡のご出身だが是非とも専任教諭でお迎えしたいと思った。
今日も南海辰村建設さんの設計陣と中学校棟の基本レイアウトの打ち合わせが急遽入った。今回は中学を代表して新校舎建設の主担当であるT教務・進路部長先生が打ち合わせに入った。前回の打ち合わせで私から「ボロクソ」に言われ突き返された案を確かに見直してはいたが、それでもまだ「全体が見えていない」。教員は習性として「自分の世界を囲みたがる」し、先行きを考えて戦略的に動くことは不得手かも知れない。要は今が一生懸命過ぎるのである。ポイントは新校舎の一等地に「大ホール」を持って来ているからこれが設計の自由度を失わせている。現在の西館は新校舎が竣功してもそのまま残り、将来の浪速アリーナの2階部分は大ホールと教室が来るし、ここは殆どが中学校が使うことになることを頭に入れよと諭して会議は短時間で終わった。これで突き返しは3回目となった。駄目なものは駄目で、何回でも突き返す。