2022年12月17日土曜日

歌声の聞こえる学校は良い学校!

 「建設の槌音のする学校は良い学校」とは私が常に言っている言葉だ。学校の経営者たる者、一番に考えることは常に教育環境の改善、充実であるべきとは私の強い信念である。この信念に基づき、確かに平成19年学校改革着手以来、毎年、何時も何かの工事が行われてきた。一々書くのもしんどいくらい多い。現実に今もNS館の建設工事は佳境に入っており来年の3月末には素晴らしい校舎が目に入ってくる。引き続いて「創立100周年記念事業として初めての浪速中学校校舎が建設」される。本校地に残った最後の一等地に建つ建物で今設計打ち合わせの真っ最中にある。私は既に何回も「駄目だし!」して関係者に檄を飛ばしている。私の建築物は「広く、大きく、明るく、意匠性を高めよ!表面は凸凹(でこぼこ)、凹凸(おうとつ)が良い」だ。普通のごくありきたりのしょぼい建物など建設する気には絶対にならない。建物は「外観で人目を惹き」、内部に入って豪華、機能的で「驚く建物」でなければならない。 


もう一つの信念は「歌声の聞こえる学校は良い学校」である。私が極めて異常なくらいの「歌好き」なことと少しは関係あるかも知れないがとにかく、歌を歌う人に悪い人は居ないというのが私の感情である。校舎から遠く生徒の奏でるハーモニーの歌声が響いてくると学校全体が心豊かに、優しく、それでいて何か仲間意識というか友情みたいな空気が流れる。今日は「第10回 高校1年生の合唱コンクールの日」であった。第10回だがコロナ禍がなければ13回となっていた。2学期の期末試験が終わった後生徒達はクラス単位でそれぞれ場所を探して一生懸命に練習に励んでいる。「その姿が尊い」と思う。男子生徒の中には当初は恥ずかしがって積極性は示さないが、面白いのは徐々に変わってくる。声を出し始めるのだ。その瞬間クラスが一体となる。このような学校に「いじめ」などは起こらない筈だ。 

私は最初から最後まで聞く。席を外したりは絶対にしない。生徒が頑張ってきて、理事長に聞かせたいとするのだからこれは何をさせおいても優先させる。しかし高校1年生、生徒総数が870人を超え、20クラスだから先生方は色々と配慮したコンクールだった。まずコロナ対策で「マスク」を着用した合唱であった。20クラスを3部に分けて途中20分の休憩を挟んだ入れ替え制で待機クラスは教室で「テレビ放送で生を堪能」できる仕組みだ。今回は時間短縮の為に指定曲の校歌は無くて生徒が選んだ「自由曲」で1曲勝負である。演歌などは無かったが中々良かった。今までの保護者案内はせずに後刻編集してクロムブックにて配信するそうだ。この辺の教員の知恵は本当に素晴らしいと思う。それにしても緊張感のある質の高い合唱コンクールだった。レベルが上がっていることは間違いない。 

私は学院長として優秀クラスには「浪速ベーカリーブルの焼き立てパン」のパン券を賞品として出し、それを校長が副賞で手渡す。最優秀賞は一人6個でクラス40人全員、優秀賞は今回レベルが高く3クラス有り、パンは一人4個、奨励賞は4クラスで一人2個の券となったと報告を受けた。合計で1040個のパン券が出て行ったことになるが、まったく問題ではない。「言葉だけのご苦労さん」はアマチュアのやり方で「クラス単位の競技会」でもあり競技会なら優秀クラスを「具体的な形で労う」のが木村流である。

社会に出れば努力し成果を上げたチームには昇進、賞金や賞品、ボーナス等が付いてくるものだ。高校生の段階からそれらを教えておかないといけない。「努力せよ、今を一生懸命に生きよ」だ。たかが合唱コンクールなどと言ってはならない。それにしても担任の指導激励で出来上がりは全く異なっている。このクラス単位のコンクールは実は担任の先生の頑張りでもあるのだ。今日の発表会でそれが如実に出ていた。常日頃の仕事ぶりと比例していないか、一度見てみたいと思う。良い土曜日だった。