本校の生徒数の約30%くらいは堺市の居住である。この堺市が輩出した歴史上の偉大な人物は多い。中でも特に「千利休と与謝野晶子」が有名で堺市は利休と晶子を通じて堺を体験できる「利晶の杜」というミュージアムを建設している。この中に立派な広間の茶室がある。堺市の意気込みが窺い知れる。堺には、「仁徳天皇陵古墳」をはじめとする百舌鳥古墳群のほか、由緒ある神社仏閣や、歴史的なまちなみ、先人ゆかりの地、伝統産業など長い歴史の中で継承されてきた数多くの歴史文化資源があり、私も大好きな町である。千利休と与謝野晶子をテーマに、これら堺の特色ある歴史文化を広く発信する文化観光施設として平成27年3月20日にオープンしたのだが、この茶室で今日は本校茶道部が「おもてなし茶会」と銘打ってお茶会を実施した。
茶道部生徒35名がおもてなす対象は理事長の私、校長先生、それに保護者である。茶道部の顧問の先生3名と外部講師の3人の先生が裏方に回り「全てが生徒の手による茶会」であった。何と保護者はお忙しいのに19人も来られていた。お茶会は15時に始まり、広間だから1席で済み、2服も頂いた。肌寒い天気であったがお茶室での喫茶の味は何とも云い得ないまろやかな味で美味で旨かった。堺市の観光局の支援もあってこの企画になったのだが有難い限りである。私はちゃんと茶道具を用意して主客として席に座った。そして年の明けた3月か4月初頭に木村宗匠ご指導で「開校100周年記念茶会」を学校の茶室「洗心亭」で行う予定であることに触れた。今朝ほど常務理事に先の表千家お家元である現「宗旦宗匠」をお招きできないか検討を進めるように話した。洗心亭は宗匠から頂いた名前である。
卒業していくクラブ員は私が入学を許可し、飯田校長が卒業を認めるなど私にとっても節目の生徒だった。コロナの為に学校行事が少なく、可哀想であったが顧問の先生や外部の指導者の方々のお陰でこのような立派な茶会を催すことが出来て大変に良かった。生徒は喜びに浸り、わざわざ自分の着物を子どもに着させ、席に臨んだ保護者は目が潤み、感激そのもので、それらを見る私も感動であった。心豊かになった放課後であったと思う。本校は「お茶に関しての活動」が多い。最もそのような学校に私がしたのだが、今や生徒も実力を付け、その範囲は広大になってきている。一例として「おーいお茶」で有名な伊藤園さんが企画し実行している「伊藤園おーいお茶新俳句大賞」は既に33回目を数え、大賞は文部科学大臣賞や金子兜太章など揃え、格の上がった文化的催しものとなってきている。この催しに対して本校は国語科の教員が主導して、生徒がこの企画に参加し始め、中々良い成績を取ってきている。今年も4人の生徒が賞を得た。内一人は「佳作特別賞」を得てその作品がペットボトルに掲載され全国に販売されることになっている。
立派な事で私はこのような頑張りも評価したいと思う。生徒達が自分の言葉で素直に感じたこと、思ったことを季語や定型にこだわることなく、五・七・五のリズムにのせてのびのびと表現することは素晴らしいことだと思う。指導してくれた先生に感謝申し上げたいと思う。本校2年生、岩本真礼さんが創った新俳句は「勉強中は時が止まった置時計」である。素晴らしい。まさしく「新俳句」と言えよう。佳作では「麦わら帽抑えて歩く海の風」「静電気君にふれようと苦笑い」「テスト中カチッとなった緊張感」である。何でも挑戦する気概を育むのは本校の教育方針であり。順調にその道を歩いてくれていると思う。皆さん、伊藤園の”おーいお茶”を飲んでください!