私には懇意にしている演劇集団がある。神戸に本拠を持つ「劇団自由人会」であるが、その経緯は生徒への芸術芸能鑑賞会に「古事記」をテーマにした演劇を鑑賞させようと考えたことから始まった。ところが古事記の神話伝説を舞台に持つ劇団が当時見当たらず、仕方なく創作して貰うことを決めたのである。その行きついた劇団が大阪に近い神戸にあり、学校公演に多くの実績を持つ自由人会であった。その座付きというか専属の脚本家、演出家である「ふるかわ照先生と劇団の代表である森もりこ先生」が本日来校された。当方のご招待である。演劇活動は極めて効率の悪い芸術活動であるがこの方々は志を以って地道に活動を続けておられ、このような人々に対して活動の場所を提供するのは教育活動に従事している我々の責務の一つだと私は考えている。
久し振りに本日、ふるかわ先生と森代表が来校されて私と親しく懇談した。目的は今年本校が創立100年を迎えるにあたり「100周年記念藝術鑑賞会」として自由人会にお願いしたいと考えたからであるが、課題はどのような演目を出すかであった。昨年11月29日に枚方市の総合文化芸術センターで「ベニスの商人」が出され私は鑑賞に行ったのであるが、これはシェイクスピア原作の有名な作品ではあるが少し生徒には難しいかなという感じを持った。それに話が暗い。その後新たな候補として「カーリーの青春」が上がり、4分程度のDVDを頂き内容の吟味をした。そして今日、二人の責任者をお招きし、お話を伺って演目の結論を出した。それが「カーリーの青春」である。
この演目は自由人会が既に1750ステージを突破し、112万人が涙した劇団自由人会不朽の名作であり、オリジナル作品である。愛することは生きる事。生きる事は信じる事だと教え、愛が如何に人間を豊かにするか、青少年の未来を照らす心温まる感動作だと脚本、演出のふるかわ先生は強調された。本年6月15日堺市の「フェニーチェ堺」にて午前、午後2回に分けて総勢2600人を超える中学、高校生に鑑賞して貰うことが今日決定した。芸術芸能大好き人間の私はこの15年間全ての演目を自らが決めて来た。平成24年「ふることふみ 古事記」、平成26年「知覧の桜―未来の僕たちへ」と続いた劇団自由人会は総力を挙げて100周年記念事業を祝ってくださると言う。大いに楽しみである。
ところで総勢2600人と書いたが修正しようと思う。7日から始まった高校の教育相談の数は「浪速の勢い」と言うべきか、依然として衰えず、中学もWEB出願数は新記録となる様相であり、「捕らぬ狸」ではないが総勢で2700人を超えることはどうも間違いなさそうである。嬉しい悲鳴であり、今建設中のNS館を作る決断の正しかったことに今更ながら喜んでいる。