2023年1月25日水曜日

歩きながら考える!「どうする、後輩たち」

 毎日、毎日の授業を持つ教員と違って学校という職場は「管理職」になると生徒との直接的な触れ合いは激減する。逆に学校の管理職は直接的に向き合う相手が生徒から教員になると言っても過言ではない。私みたいな理事長や学院長などの職責にある者は生徒との触れ合いは月度一回の「学院長講話」でしかない。それもマイクを通して語るだけだ。だから私は校長兼務の時代も今も修学旅行や耐寒行事など集団行事には「生徒に混じって動く」ことを大切にしてきた。この重要さや楽しみを深く知っているからだ。昨日3年ぶりに高校の「耐寒行事」に参加した。日本最古の古道と言われている「山之辺の道」を1600人余りの高校1.2年生の生徒と古墳群の中を巡りながら共に歩いた。「桜井の大神神社から天理の石上神宮まで約16キロ」を寒さの中で完全踏破したのである。



コロナの為に3年ぶりの行事復活であった。正直言ってしんどかった。寄り添ってくれた秘書役の事務室Kさんのサポートで最後の3キロが歩けたようなものだった。ゴルフで言えば3ラウンド分ほど連続して歩いた感じだが特に腰と太もも回りの筋肉量の低下なのか、「腰に来た感じ」であった。3年前は平気であったが加齢をつくづくと感じた。が、一晩寝ると今朝は元の状態に戻っている。人間、足腰の筋肉量と睡眠ほど大切なことはないことを今更ながら思い知った。生徒は可愛い。男子生徒も女子生徒も私に声をかけてくれ、スマホでのショットを求められたりして、非定常な一日を案外と歩くには格好の天気の中で楽しく過ごした一日であった。 



傍らにいる生徒の顔を見ながら、そして歩きながら私は頭の片隅で考える。とにかく「考える」ことが好きである。「令和5年4月30日で創立100周年」を迎えることが出来る。問題はその先であり、最近管理職や、今月23日の校務運営委員会でも幹部教員に熱く私は語っている。「学校の体質改善」であり、「ベクトルの微妙な修正」かも知れない。今適切な言葉が見つからないが、要は次の「浪速中高のあるべき姿」を考えている。そして描いて具体的に動くことだ。「匍匐前進」が良い。姿勢を低くして、「徐々に徐々に前に前に」進むのである。体質などは急激に又変わった方向に変えることなど学校と言う組織では「愚の骨頂」である。副作用や反動が大きい。慎重に、慎重に今の浪速学院の体質と筋肉量をベースとして次の浪速学院の形を「漢方薬を使った東洋治療的」にふつふつと変えて行かねばならない。 




岸田総理は今期通常国会で最大の政策目玉を「少子化対策」に挙げた。当然である。少子化の進展は想定よりも7年も早く進んでおり2021年の出生は77万人程度という。大阪府は今までの高校の統廃合17校の実績に加えて更に9校を積み増しすると発表した。社会は今眼前に迫った少子化時代にようやく目を直接的に向けて来た。本校も少子化時代を見据えた対応をしていかねばならない。私は23日の校務委員会でI教務部長に15年後に何歳になるのかと聞いた。答えは59歳であった。私は恐らく生涯を終えているが、彼はまだまだ現役のバリバリである。昨年の生まれた大阪の子どもが高校進学になる15年後に「浪速中高」に入学してくる生徒の数は一体どのようなレベルで数値だろうか。少なくともを今年の中学4クラス・150人前後、高校の20クラス850人前後など期待するのは甘い。然らばNHK大河ドラマ「どうする家康」ではないが「どうする後輩たち!」と思うのである。