2023年1月14日土曜日

大阪の私立中学

 今日は浪速中学校の入学試験日である。残念ながら雨の中の入試となった。しかしそれほど気温は低くは無いから受験生にとっては今までの努力を最大限に発揮できるよう、頑張って欲しいと思う。「関西24県(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県)の私立中学校の統一入試日1月14日(土)」であり、この日程だけは「重大な取り決め事項」で勝手に動かせないが、これ以降は各学校単位で異なってくる。本校では今日が1次A入試、夕方には1次A選抜、明日は1次B入試、そして16日が1次B選抜入試、そして17日に2次入試としている。更に2月入試も計画している。受験生に選択の機会を多く持って貰うための措置である。 



大阪府の私立中学の数は59校あり2023年度入試の募集人数は7418人である。これに対して今日、一生懸命入試問題に取り組んでいる小学校6年生の数は1月13日発表で9293人となっていた。この数値は昨年よりも223人増えており、徐々にではあるが「私学中学人気」が高まっていることが分かる。背景はコロナ対策でより私立の優位性、例えばオンライン授業とかの教育環境が評価されたものだと考えているが、私立高校程に私立中学校人気が沸騰しないのは教育行政施策の影響があると私は思っている。要は私立高校に比べ、私立中学への行政支援は厚くなく、「義務教育だから別に私立に行かなくとも、公立で良いのでは?」という感覚がまだ国民各層に強く残っているという思いから行政は、私立中学への行政施策の拡大にブレーキをかけているのではないかと想像している。 



端的に言えば大阪で言えば府内の私立高校(全日制96校、中等1校、通信制11校)全体で何と約45%の生徒を預かっており、これは全国で3位に位置し、31年前に比べ10%の増である。これは「大阪維新の会」による全国に先駆けての実質授業料無償化施策が効いているのは間違いない。「本当に有難かった」。この施策により我々は学校改革にまい進し、大規模な学校へと変身でき、安定した経営が成り立ったと言える。ところが私立中学で言えば約10%程度であり余りにも私立中学は枠外、例外扱いと言う感じが私の思いの中にある。96校の全日制高校の内、60校は併設の私立中を経営しており、中学校経営で中々の苦労をしているのが現状なのである。その理由は明快で、数値で示せば「経常費補助金」は国の財源措置を大幅に下回っているからである。特に中学校では平成20年から経常費補助金を25%カットされ、平成26年度から15%に見直されたものの未だに継続されている状況である。 

我々私立中学関係者としては何とか補助金の100%復活を大阪府にお願いしているところだ。少なくとも国の財源措置額までには戻して頂きたいと強く願っている。令和4年度の生徒一人当たりの経常費単価で言えば国と大阪府の差は中学で77578円、高校で23210円であり、近畿6府県で高校、中学共にワースト1、全国比較では高校でワースト2、中学でワースト3位である。「大阪の教育日本一」の実現に向けて我々私立側はより一層社会の要請、府民のニーズに応え、特色教育に更に邁進する覚悟であり、まず取り敢えず、私立中学の補助金を元に戻して頂きたいとただただ願うばかりである。