2023年1月23日月曜日

ターム留学へ 女生徒6人を肘タッチで送り出す

 朝一番に石川県の太鼓メーカーの浅野太鼓の社長さんが見えられ、当方からの要望を汲んだ新しい「太鼓台の図面」を持参してくれた。100周年記念として「3尺大太鼓」を発注したのだが当初案の置台が気に入らなくて私は差し戻した。太鼓台は単に太鼓の置台ではなくて太鼓を支える重要な「一作品」として、形状や意匠性などがポイントだと私は考えている。今回、側面に「上り龍、下り龍」の彫刻を井波彫刻の大家に彫って頂く案が出て来た。ただ立派な彫刻が彫られる土台の形状が「華奢」に身えるのでもっと広く、太くするように指示した。太鼓が3尺と言う大太鼓だから見る人に不安定感を与えるような置台では駄目だ。 


記念式典の4月30日、この大太鼓は生徒の手によって「除幕」され「一番太鼓」として鳴り響き、この「鼓報」によって奉祝祭の神前奉告が始まるべきと常務理事に話した。浅野の社長は「置台に彫刻するなんて後にも先にも・・・」云々と言っていたが、前例などどうでも良い。未来永劫100周年の記念品として、立派なものを作りたいと思う。こだわりの私は既存の太鼓の所に行って脚の位置などを確認した。追加の費用は掛かるが、まず「良い物」を作る事が先決だ。買い物をして「後で後悔」だけはしたくない。費用はこれからも頑張れば何とでもなる。 

「ターム留学」という言葉がある。高校教育に携わる人々にとっては常識的な言葉である。変動幅はあるが、約3カ月から6カ月間を目安に、海外の高校に留学することである。 目的は留学生活を体験することで、単位を取ったり成績が出たりするアカデミック留学(1年以上)と異なり、 日本の高校を休学せずに留学修了証を持ち帰ることで、進級にも影響がない場合が多い。要は単位交換が可能なシステムであり、これをターム留学と言う。「日本の高校を卒業する予定だけど、高校生のうちに海外の高校で勉強をしたい」、「英語を話せるようになって、将来に役立てたい」と考えている生徒に勧めるメニューが潤沢に揃ってきており、その機会を伺っていたが、本校の歴史で初めてとなるターム留学の生徒が遂に出現した。 


それも一挙に6人だから凄いことになったと思う。国際コースに在籍する生徒たちで、カナダのブリティッシュコロンビア州の高校に、1月27日、28日に関西空港から旅立つ。帰国は6月28日となる見込みで約5か月間の長丁場だ。6人全員が全て女生徒であり、この根性と保護者の支援が素晴らしい。費用も低くて250万円程度はかかるだろうにと思う。エージェントは経験豊富な2社を介しており、ホームステイ先も立派なご家庭で安心しているが、3月頃に担当のT先生を様子見に出張させたいと思う。日常は「ネット」で繋ぎ、生徒の状況を常に把握していくが、やはり現地の実態を教員が自分の目で観察する機会を設けるようにするのが私の仕事だと思う。 

出発前に全員を学院長の部屋に招いて激励会を実施した。生徒達は期待に胸を膨らませているのは直ぐに分かったが、お国柄、フード、習慣等々全てが異なるので「自分の命と財産は自分で守るよう」に話した。この当たり前の事が日本ではともすれば他人事みたいな感じで捉えられるが海外では「自分を護る気構え」を持つことは世界の常識であり、今日はしつこくこの点を話した。私は「ふくろう奨学金基金」から激励金を手渡し、ホームステイ先のご家庭に「学校からのお土産」として学院神社が刺繍されているテーブルセンタークロスを既に手渡している。最後に「肘タッチ」で部屋から生徒を送り出した。 多くの成果を持ち帰って欲しいと思う。