2024年6月12日水曜日

前途有為な若者よ、期待しているぞー!

 “「事業は人なり」ということがよくいわれる。これはお互いの事業体験からいっても、まったくその通りだと思う。事業は人を中心として発展していくものであり、その成否は適切な人を得るかどうかにかかっているといってもいいだろう。(以下省略)”。これはあの有名な松下幸之助さんの経営観・人間観を端的に表した著作の冒頭の部分で、事業は人なり、企業は人なりという言葉で広く世の中に知られている。ここに私は「学校も人なり」と付け加えたいと思う。人間社会の営みは全て人間が関与するもので、全ての根底に人の存在がその組織に大きな影響を与えるものである。戦国時代の猛将、甲斐の武田信玄は「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」と喝破している。

「人材」とは才能のある、役に立つ人、人物の意味だが時々もじって「人財」という表現をする人もいる。私は余り好まない表現だが、人財に使われる「財」という字は、ご承知のように「宝」や「値うちのあるもの」、そして「有用な物質や金銭」という意味があるから、「人財」とは、組織にとっては役に立つ、有益で、大切な人を宝物と考えているというメッセージが込められているのだと思う。以上の「事業は人なり」「人は石垣、人は城・・・」「人財」等に反論する気は全く無い。その通りで当たり前の事を言っているだけである。重要な事は「人を育てる」と言う哲学が背景に無いといけない。入職して来た若い人たちを順序だてて立派な社会人、立派な組織人に「育てる仕組みと時系列的な人事評価、そして評価の具体的な反映、即ち処遇」があってこそ人は育つ。育てるとは幾分おこがましい感じがするから「人材育成」という表現が組織体には良いかも知れない。 

今年一人の新卒の男性講師のO先生を国語科の専任教諭で採用した。過日辞令を渡し、1年間の研修を指示し、指導に当たるスーパーティーチャーも付けた。大切な人材で大きく育って貰う様に万全の形で進めて参る。6月5日の教職員歓送迎会では別に栄誉ではないが新専任は理事長と同じテーブルだ。緊張していたが、素直で、努力家,加えて人間が謙虚だから国語科にとっても学校法人にとっても将来が楽しみだと思う。 


又今年は当たり年でかなり「ポテンシャルの高そうな3人の女性常勤職員」が採用出来た。最大3年間を目途に見定め、双方の思いが叶えば、本校の専任の事務職員として採用する積りだ。事務職員は仕事の幅が広く、入試広報部職員、教務部職員とも拡がりがあるし、第一に「金銭を取り扱う部位」、だけに相当な人物を当て嵌めないといけない。それだけに人材育成は極めて重要である。勿論学校は「教師で栄え教師で滅びる」とも言われているが教員世界は例えば英語科などでは30人以上の先生が居るが事務は「一人職場的」であり私は極めて事務の採用には敏感に反応する。その昔、本校は「教員が肩で風を切り、廊下を闊歩」して、事務職員は一歩低い部分と見られたような光景が散見したがこれは完全に私が払拭した。学校経営と運営は「教員と事務が車の両輪」で相互が協力し補完し合ってこそ学校は伸びる。それがあったからこそ、今や浪速学院は在籍生徒数3089人の大所帯の学校に育ったのである。浪速の将来を担うことになる、前途有為な若者よ、期待しているぞー!