2024年6月1日土曜日

6月一斉参拝とPTA総会

 学校行事の関係で「一斉参拝」がその月の1日に合致して行われる機会は案外と少ない。今日は6月1日、本年度で初めて1日に参拝が出来た。晴天の中で生徒の衣替えした「白シャツ」が目に眩しく、辺りは清浄感に包まれた爽やかな参拝となった。6月の一斉参拝の時の学院長講話は何時も持統天皇御製の「新古今集」にある「春すぎて 夏来(き)にけらし 白妙(しろたへ)の衣(ころも)ほすてふ 天(あま)の香具山(かぐやま)」を生徒に伝える。「大化の改新」の時代に生きられた持統天皇は大化元年(645年)のご生誕、40代天武天皇の皇后で、後継天皇となるべき草壁皇子が、若くして亡くなられ、自ら41代持統天皇となり皇室史上3人目の女性天皇となった。私は「壬申の乱」から藤原京まで歴史に燦然とその名を遺す持統天皇の話を詳しく語った。こういう語りに生徒は目を輝かせて聞く。 


31文字の和歌、17文字の俳句など日本という国の表現力の多様さを話し、「白妙の衣ほすてふ」と歌うだけで季節感を感じ、日本人が持つ精神性と豊かな詩情の素晴らしさを生徒に伝えた。その後、当然、学校生活のマナーやルールなどの話を展開するのは当然である。学校の管理者は噺家でも無いし、講談師でもない。まして歴史の語り部ではない。あくまで学院長講話や校長講話は教育の一つであるから必ず「チェックポイント」を交えて話す。今日も、青春真っただ中で「自分の人生を作る」為に今は有ると教え、「努力の大切さ」をいつも以上に話し、「駄目なものは駄目」だと教えた。今日の一斉参拝は終わった後、何か満足感に浸った。老齢の身にある私が眼前の3090人の発展途上の若者に語る機会を有している幸せ感は何事にも代え難いものがある。これがあればこそ頑張って行けるのだ。 


午後からはPTA総会があった。人事面で新旧役員の交代や新旧PTA年度予算の決算と承認がなされ、今日は特別に私は2回目の登壇で「2学期からの学校5日制」について映像を使って保護者にご説明した。高校、中学のまたがる話だから学院長の私がすることになった。16枚の映像を使い、先の理事会・評議員会で確認された中身であるが、学校5日制の全てを話した。何事にも「メリット、デメリット」はあるが、我々はベストを尽くして「土曜日の有効利用」に頭を絞る。何時までも私学が「土曜日も授業してまーす!」というのは時代の間尺に合わなくなってきた。対公立で自慢する話ではなくなってくる。逆に今までの土曜日の授業を月から金に入れ、土曜日4限を如何に生徒の為になるような使い方をするかである。これにより教職員も変則ではあるが週休2日制に手が届く。「働き方改革」のステージを上げて欲しいと思う。教員の余裕が良い授業を生む。 


私のこのプレゼンは大きな拍手を頂いた。着々と我々は「説明責任」を果たしているが、大切な事は説明する事より学校5日制のメリットを最大限にすることであるから、試行錯誤しながら中身を高めて行きたいと思う。これでPTA総会は終わり、夕刻から場所を市内ホテルに移して「PTA歓送迎会」が予定されている。盛り上げて行きたいと思う。