今日は予てから予定していた「株式会社TAP」の井上代表取締役がご来校された。当方の強い要望を受けて社長、自らご出馬頂いた感じだ。まず名詞交換から始まった。社長さんの冒頭のご発言は「今日は理事長にお会いできることを楽しみにして、参りました。木村理事長は何処に言っても大変有名なお方で・・・少し緊張しております・・」云々のお話から会話は始まった。男も70歳を超えて長く生きて来ると初対面の人でも「お顔や物腰を観るだけで大体どのような人物か分かる」というのが二人に共通した思いではなかったか?直ぐに二人は打ち解けて前略で始まる手紙ではないが直ぐに本題に入った。お互い「せっかち」なのかも知れないが我々の立場は「時間の切り売り」みたいなものだから「むべなるかな」という感じだ。
「株式会社タップ」と言う会社はやはり良い立派な会社であった。会社は社長さんを観れば分かる。社長は今日自ら、自分は元々予備校の講師から現在のビジネスを立ち上げたと言われた。そして今や大阪を拠点に名古屋、東京と支店を持つように発展してきた。業容は「システム開発事業」と「教育支援事業」であるが、公式HPにある「おっ便利!」と思っていただけるような、業務効率をよくするサービスを開発しているのが経営理念である。私はこの言葉「便利」に惹かれ、トップにお会いしたくなったのである。我々の次の目標は当然「2学期からの学校5日制」に関して「土曜日を如何に有効に活用するか」であり、今日社長と理事長のトップ会談で「提携」の話は決まった。今後担当レベルで詳細な検討に入り事になった。仕事の進め方の一つで本流は下からの積み上げによる稟議方式ともう一つはトップが理念と形を決めて後から組織で肉付けして行く方法がある。今日は後者であった。
順序が逆になったが会談の後、「開校100年夢の軌跡」のビデオをご覧頂き、その後は私自ら校舎内をご案内した。二人だけだから歩きながら結構他の話も出たりで良い時間となった。社長から私の歳を聞かれ、正直に私は遂10日程前に「7●」歳になりましたとお答えしたら社長は「そうなんですか!私は理事長より3歳若いです」と言われた。そしてお互いに70歳代の後期高齢者がまだこのように現役で頑張っているのに心強く思いましたと返してくれた。確かに70代後半の老人が今日二人、未だ現役で頑張っているのが「少し誇らしい」と感じた。
「武辺者(ぶへんもの)」という言葉がある、意味は武士、武人、一国一城を有するほどの侍大将の事であるが私は井上社長さんから「領主様、お殿様」的な感じよりかは武辺者の香りを感じた。「男らしい」のである。口数は必要以上に多くないが「ピシッ」と要点を突かれる。私などは「大刀や薙刀」をブンブン振り回したり、「機関銃を撃ちっ放し」みたいなタイプに見えているかも知れないが、社長さんは、そう「小太刀の使い手」「二刀流の使い手」みたいな感じで風貌も確かに「古武士然」とされ、巌流島の宮本武蔵を髣髴とさせておられた。帰り際、社長さんは理事長のお話のなかで「グッ」と来たものがありました。自分のオフィスにいるだけではなくて偶にはこの様にして外に出て初めてお会いする人と会談する重要性を強く認識しましたとおっしゃってくれた、「我が意を得たり」である。そして圧巻は自分で運転して一人、次の場所へと向かわれた。専任の運転手など居ないのである。