「習礼(しゅうらい)」という言葉がある。(しゅらい)とも読む。私が存じ上げている宮司さんは“しゅらい”と言われる方が多い。意味は重要な儀式の前に予行をすることで、儀式の本番が始まる前に行う予行演習のようなものである。順序、立ち位置や作法の確認をするためだが、お祭りの規模が大きくなるほどに、必要性は増し、その方が祭事そのものが「ピシッ」と決まる。建設中の「浪速中学校棟の上棟祭を10月23日に予定」しているが、今日、校内の関係者を集めて「新中学校棟の上棟祭の習礼」を行う旨正式に宣言し、関係者は今から準備に入るように指示をした。
既に「幣串」や「棟札」の準備は進んでいるが今回は全中学の生徒400人が勢揃いして引き綱をするから「予行演習」をしておかねばならない。中学生ともなればまだ幼く、スムースに物事が進むと考えるのは甘い。卒業式でも合唱コンクールでも予行練習をしているではないか。又雨天時の対応も考慮しておかねばならない。服装、生徒の立ち位置、掛け声などの動線の確認や順序などを入れたマニュアル本を作成し、本番前に予行演習しておかねばならない。特に本校の理事や評議員、PTAの役員など多くの方々にもご案内しており極めて大きなお祭りとなるだろう。動画や静止画の写真撮影のプロにも習礼当日は現場で確認しておいたほうが良い。本日役割分担を決めた。
話変わって、昨日、私は結構大きな最終決断を下した。それは「浪速ふくろうベースボールスタジアム」のトイレの大改修を行う。費用は数百万円かかるが、前から気になっていた部位の大改善に踏み切ることにした。動機は先般、硬式野球の公式戦があり、スタジアムに久し振りに行ったのだが、この時に入試広報部のI先生から強く要望されたことが背中を押したのである。私を引き回してトイレを見させるのである。この先生こそスタジアムの建設に大きな貢献があった当時の野球部の顧問である。共にこの野球場を作った先生で、現場を良く観ている教師の提言に私は耳を傾ける。必要性は分かっていたが実行タイミングはこのような先生の熱意で、私は動かされ動く。
このトイレはスタジアム竣工時、急遽作り付けたもので当時お金も少なく、他の部位に比べ幾分見劣りしていたことは分かっていた。設備投資には順番があり、その後ハンディキャップの方々のトイレを設置し、その後、時を置いて男性と背中合わせにあった女性用のトイレを場所を離して新たに設置した。それまでは薄壁一枚で仕切られていた男子用と隣り合わせであったが、これを変えたのである。これは当然試合の観戦に来られる女性に大変評判が良く、今更ながら施設設備のトイレの位置やグレードは建物全体の評価に大きく繋がると思い知った。
そして今回、満を持して男子用のトイレを全面更新する。今までの4個室を2個にして大きく取り、鏡や置台の設置、当然最新鋭のシャワートイレに変えるのは当然である。私はついでに小用のトイレも身障者用の個室も最新の機器に変えるように指示した。中央館や東館のトイレは最初から当時最新鋭の機器にしており本学院の品格の高さを内外に発信してきた。校外の施設で最も古くなったスタジアムも今回のトイレットの大改修で漸く恥ずかしい物でなくなる。それよりも誇りが持てる機器になるであろう。私は良い決断をしたと我ながら思った。「トイレは重要」である。