「機会ロス」という言葉がある。業種・業態にかかわらず、「利益の最大化」を目指すすべての企業や組織にとって大きな打撃となり得る「機会損失(チャンスロス)」は経営の重要概念である。 私立学校もそれに当てはまる。更なる発展を目指す組織や私立学校はこの「機会損失を最小限に抑えられる施策の実行」が必須条件である。機会損失とは、本来であれば利益が出せた状況にもかかわらず、判断・行動を誤り営業や販売の機会を逃すことで、分かり易く言えば未来的な損失、つまり元来なら得られたであろう「儲けをミスミス逃す」ことで、このような判断をする幹部は一刻も早く退場しなければその組織は衰退してしまう。
少子化の進展で公立私立高校共に「生徒獲得競争」が益々激化している中でこのような機会ロスの判断をする管理職や入試広報部では駄目だ。「営業と言う概念」が全く分かっていない。今日は土曜日だから3S(Saturday Something Special)の日だけに朝の9時から3部制で授業体験が組めるのも3Sの効果なのだから「門戸を広げて」受験生を取り込まねばならない。ICTがあらゆる教室に完備され、卓越した教師の高校の授業が生徒に沁み込んで行き、同時並行で保護者も隣の部屋で同じ情景が画面と音声で耳に入る。今日だけで648人掛け、2倍の1296人の目に浪速の施設の素晴らしさと高校の授業が目に焼き付いたと思う。「浪速は素晴らしい」と思って頂けたら、これが機会を得たロスではない利益である。
今日は進路指導部の企画で「保護者対象PTA進路講演会」もあったが、こちらの方も会場の西館ホールに替えてそこも満杯だった。それでこそ本校のあるべき姿である。人数制限などかけていたらまた私の強烈な爆弾が落ちていただろう。東京から有名な大学教授の後援者をお呼びしたこの保護者研修会は「浪速のサービス」である。私立高校はサービス産業であり、サービスの悪い学校に人は寄っては来ない。
昨日のアラウンドでも書いたように今はどの公立高校も私立高校も「生き残り」をかけて必死になって頑張っている最中であり、このような時に参加希望者の人数制限や機会の減少など「機会ロス」を生じせしめる施策は絶対に許されない。ある企画を廃止するならその影響を洞察し、補填策、置き換え案、代替え案など用意し結果を直視しなければいけない。私立の教職員は全員が「営業職」であり、学校は有る面「サービス産業」だと考えることの出来る教職員を私は欲している。黙っていても生徒は来てくれるだろうと能天気で何もしない学校はいずれ終わる。