「去年今年 貫く棒の如きもの」、この句は、昭和25年(1950年)歳末に子規の弟子である高浜虚子が76歳の時に詠んだ句である。虚子が居住していた鎌倉の駅に掲出されており、それをみた文豪川端康成が衝撃を受けた話は有名である。私の大好きな句であり何時もお正月、特に「仕事始め」の日にはこの句を頭に反芻させ、胸に去来する感情を味わっている。明治生まれの高浜虚子が日本という国の仕組み、人々の生活、文化の在り方が大きな転換を迎えている明治という「坂の上の雲」の時代にこの句を生み出した。日清日露の二度の大戦を経て、日本が民主主義国家へと生まれ変わる様、激動の時代を生き抜いた人物だから出来た句かも知れないが、現代も激動の時代であり、ある面、明治時代よりも複雑で大激動の時代だと私は思う故、この句は今も生きている。
7時45分、拡大管理職会議を持ち、相当突っ込んで未来を語った。8時45分、今日から始まった「高校入試の教育相談」のキックオフミーティングに参加した。私は入試広報部の部員と関係する教職員に新年の挨拶と激励の言葉を申し述べた。今日からの2週間程度で中学、高校の今春の入学者数が読めてくるが、既に活動期間は昨年末で終了しており、待つのは結果の数値だけである。もはや「じたばた」しても仕方がない局面であり、人事を尽くしたからには天命を待つのみだけだが、そうはいっても、果たして4月5日の入学式には中高合わせて何名の生徒が入学してくれるのだろうかという期待と不安が常に私の片隅にあるのは、慢性の職業病かも知れない。
今日からまた私は動く。「貫く棒」の如く今年も頑張って参りたい。