「気分良く、満ち足りた」気持ちで、第77回目の卒業式を無事に迎え、今無事に終了した。品格がありそれでいて豪華な式典だった。一つの「卒業式の完成形」かも知れないと思った。冒頭の一節は勿論、卒業していく生徒に置き換わるように4月5日の入学式に並ぶ新しい顔ぶれの数が「中高ともに新記録の数値」となったからである。卒業していく生徒数より入学してくる生徒数が多い方が寂しさを消して楽しみが大きくなる。これが逆だったら少し落ち込むだろう。何か既に決まったように書いているがほぼ昨日で特殊なケースを除いて「大体」、入学者の数が読めてきた。この分野のプロである我々の経験値から導き出した数値であるから大きな間違いはない。これらは高校の話であり、中学はほぼ確定したと言える。入試そのものが終わっているから精度は高い。その数169人と一昨年の記録の148人を何と21人も超えた。遂に浪速中学は一皮剥けて新しい時代に入った感がする。もう直ぐ竣功する中学新校舎も間違いなく喜んでくれているだろう。
浪速高校は開闢以来の前人未到、1150人を超えるだろう。恐らく日本の高校約5000校でトップクラスか、それに近いポジションになるかも知れない。クラス数は間違いなく25クラスとなる。この数値に言葉を失う。私は後述する卒業式において卒業生や保護者に「あなた方の存在のお蔭である」と感謝の言葉を述べた。今、目の前に居る生徒が本校で学ぶ誇りと喜びを有するが故に、本校は右肩上がりで伸びているのだ。恐らく外部の学校関係の方々がこの数値を耳にすれば驚かれるに違いない。中学も高校も大変良くやってくれた。学校設置者として言う事はない。ただただ慰労と感謝の言葉である。5月8日に予定している新校舎竣功パーティ、教職員歓迎会に加えて入学生中高合わせて1320(169+1151)人の看板を掲げたいと思うくらい、中高共にブレークスルーした。
高校の卒業式の主役はまず卒業生、そして学校側は校長である。何といっても卒業証書を手渡すことが出来るのは校長先生のみである。理事長・学院長の私の役目は校長からの委嘱による「特別賞の授与」で登壇するだけだが、この栄誉は私にとって極めて名誉である。自分が自分の名の付いた「冠」の賞を生徒に手渡す喜びは無上である。K君に差し上げた「木村賞」は御代替わりの令和元年に理事会の決議で設定された「本校最高位に位置する特別褒賞」であり、在学3か年間学業優秀、生活態度優秀で他の範であった生徒に授与されるものである。私が対象者を決めるのではなくて、学年団で慎重に審議され選出された生徒である。しかし未だこの世に生きている現役の自分が賞を授与するのは些か面はゆい気がする。
この褒章の名称「木村賞」も最終的に職員会議で確認されたもので平成19年から「浪速改革」を推し進め、飛躍的に本校を発展させたとして木村の名前を後世に伝えるべく決まったものだと今日も司会の高校教頭が説明してくれていた。例年のようにK君と神社前で記念写真を撮った。しかし今日の卒業式は「開校101年目の卒業式」「戦後77回目の卒業式」となったが極めて厳粛な中にも盛り上がった式典となった。御来賓の本校OBで、初代浪速校友会会長、本校理事、枚岡神社の中東宮司様は「感極まって」、目を拭っておられた。「卒業式は良い、式典の中身も良かった、初めての参列だったが感動した」と繰り返して言われていた。式が終わった後、担任を主体に、私たち23人はPTAから心の籠った花束を頂いた。